第77回 秩父宮賜杯全日本バレーボール大学選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2024
11月26日、川崎市とどろきアリーナ(神奈川県)で第77回 秩父宮賜杯全日本バレーボール大学選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2024が行われた。同志社は順大相手にセットカウント0-3で敗北を喫した。
順大は昨年の全日本インカレで準優勝を果たした相手。今試合が4年生にとっては最後の大会であり、絶対に負けられない戦いだった。有終の美を飾るべく、チーム一丸となって試合に挑んだ。
大きな掛け声とともに始まった第1セットは、中田(心理1)の高い打点から放たれるスパイクで先制点を奪う(1-0)。すかさず順大も得点を取り返してくるが、﨑山(商1)や伊藤湧(心理2)といったスパイカー陣が鋭い攻撃を仕掛け、序盤は拮抗(きっこう)したゲームが繰り広げられる(7-7)。しかし、お互い一歩も譲らない試合展開の中で一歩前に出たのは順大だった。テンポの速いクイックや後衛の選手から繰り出される余裕のあるスパイクに対応しきれず徐々に点差を離される(9-13)。すぐにタイムアウトをとり逆転を狙ったが、イージーミスが積み重なり依然として点差は縮まらない。20点の大台に乗った順大の勢いは増すばかり。ラインぎりぎりを攻められたサーブを拾いきれず、サービスエースによる得点を許した(17-22)。その後も巻き返しを図ろうと中田や森川(商3)が躍動するも20-25で第1セットを奪われた。
続く第2セットも順大の流れのまま序盤から4得点の連取を許すも、中田の頭脳プレーが光る。バックアタックの体制で入った中田がフェイントで相手のコートにうまくボールを落とし、悪い流れを断ち切った(2-4)。その後も伊藤湧や小池(法3)が巧みなテクニックで果敢に攻め続けるが、順大の背中は遠くなっていくばかりだ(4-8)。「自分たちのチームに比べて相手は安定して点を取ってくる」(中田)。しかしここで中田のブロックの間を抜いたスパイクで得点を重ねる(6-8)。反撃の狼煙を上げたい同志社だったが、安定感のあるスパイクに加え、鉄壁のように待ち構えるブロックに屈し連続ポイントを献上した(11-18)。観客席から響き渡る順大の応援も相まって、コート内は完全に順大の雰囲気に。何とかこの雰囲気を変えようと森川のスパイクや伊藤湧のブロックで点数を重ねるが、最後はコンビネーションミスでこのセットも連取された(17-25)。
後がない第3セット。主導権を握りたいところだったが、相手の洗練されたレシーブに苦しめられリードを許す(2-5)。タイムアウトを取った同志社は流れを変えるべく、大町(商4)を起用。「このセットが最後かもしれないと思って、楽しみながらプレーをしていた」(大町)。レフトからの鋭いスパイクを決め切りチームの士気を高める。さらにセンターからバックアタックを決め、点差を縮めた(6-8)。続く中田が伊藤湧の見事なレシーブから得点を挙げ、1点差まで追い上げ射程圏内に捉える。金谷(心理3)が巧みなツーアタックを決め、逆転を狙うも順大は簡単にボールを落とさない。中々アタックを決め切れず試合は中盤を迎え、10-16と大きく点差を離された。しかし、ここでまたもや大町が4年生の意地を見せる。高さのあるスパイクで得点を量産。森川のクイック攻撃も決まり猛追に転じるも、劣勢な状況を打破できず21-25で敗北を喫した。
「大学のバレー人生の中で1番良い試合が出来た」(伊藤大)。試合後の伊藤大の表情は達成感に満ち溢れていた。「4回生を少しでも勝たせようという思いで挑んだ」(森川)。次期主将を担う森川は4年生の思いを紡ぐべく、全力を尽くして責務を果たした。関西1位をチームの目標に掲げる森川組が同志社バレーに新たな歴史を刻んでいく。(文責・三宅希和、堀早槻 撮影・渡邉柚果)