RIGAVIL CUP 2025 関西大学バレーボール連盟春季リーグ戦 男子1部
4月26日、立命館大学OICアリーナ(大阪府)でRIGAVIL CUP 2025 関西大学バレーボール連盟春季リーグ戦 男子1部の第5戦が行われ、同志社は関大相手に3-2で勝利を収めた。
先週の対大体大戦で今季初勝利を収め、波に乗る同志社。「1勝目を挙げてから暗かったチームの雰囲気がとても良くなった」(森川・商2)。今回の相手はサウスポーの大エース小山(関大)を擁する関大。昨年の対関大戦では春にフルセットで惜敗、秋にストレートで敗北を喫した難敵である。春季リーグ戦も折り返し地点となり、1勝の重みは増すばかりだ。実力が拮抗(きっこう)し合う中、上位争いに駒を進めたい同志社。一瞬の油断も許されない緊迫した空気が支配する戦場に、勝者を決する決戦の幕が切って落とされた。
迎えた第1セットは、序盤から取って取られてのシーソーゲームが展開。﨑山(商2)が2枚ブロックで相手の攻撃を封じ込め、ポイントを獲得する(10-10)。何とかブレイクポイントをつかみ取りたい同志社だったが、2点差を返せない苦しい状況が続く。金谷(心理4)が大西(経1)のクイックを要所で組み込ませ、相手を翻弄(ほんろう)する繊細なトスで反撃を図る。しかし関大の洗練されたブロックとレシーブに対処することが出来ず、18-25で第1セットを奪われた。
取り返したい第2セット。相手の高い打点から放たれるスパイクを封印できず、コート外へとボールが落ちる(1-1)。ここで相手に流れを渡すまいと伊藤(心理3)が躍動。セッターの金谷と抜群のタイミングでフェイントを決めると、高さのあるブロックで2連続ポイントを獲得(3-1)。同志社が流れをつかんだと思われたが、関大も引けを取らないプレーがさく裂し、3連続ポイントを許す(6-9)。その後もお互いの力が拮抗した展開が続く(16-18)。先に20点台に乗るためにも、そろそろブレイクを果たしたい同志社。「勢いで負けられない思いが強かった」(伊藤)。ここで伊藤がインナーギリギリのコースへとスパイクを決める(17-18)。それに感化されたようにオポジットの﨑山も相手のスパイカーの動きをブロックで封じ込め、同点に追いつく(18-18)。さらには大西の鉄壁のブロックで相手を完全にシャットアウトし、逆転を果たした(20-19)。ここから同志社が完全に流れをつかむ。コート内の雰囲気はもちろん、ベンチからの声掛けもより一層強くなった。その声に応えるように1年生の大西が光輝くプレーを見せる。金谷とピッタリとあったタイミングのクイックが相手のコートへと突き刺さり、連続で3点を獲得(24-22)。会場が固唾を飲んで見守る中、伊藤のコートの奥行きを生かしたスパイクでラスト1点をつかみ取り、25-23でこのセットを奪った。
第３セットは、序盤から同志社の勢いが止まらない。﨑山の鋭いスパイクで先制点を獲得。すかさず池田(商1)も高い打点からのスパイクでレフトから相手のブロックを跳ね飛ばし、さらにはもう一度﨑山が頭脳派プレーでボールを押し込んだ(3-0) 。その後も池田や大西が得点を突き放すも、関大のタイムアウト明けにゲームが動いた。コンビミスが見られ、3連続失点を許す(8-7)。池田のバックアタックで流れを断ち切ると続けて中田もブロックで得点を決め、ブレイクを果たした(10-7)。一時同点にまで追いつかれるが、チーム全員が意地を見せ2点リードの展開に(17-15)。金谷のツーや、中田と伊藤の2枚ブロックが得点につながり4連続ポイントを獲得(21-15)。このままセットポイントに向け、全員が闘志を燃やし、25-21で第3セットも奪い取った。
このまま同志社の流れで試合が展開されると思われた第4セット、関大が反撃の狼煙をあげる。4-6と場面でレシーブミスを誘発させると、一気にペースをつかまれ4点差まで引き離される(6-10)。池田のレフトからクロスに放たれるスパイクで2点を巻き返すも、相手の背中を捕えることが出来ず刻一刻と試合は進んでいく。「キャッチが返ってきたら全部自分に上げてと言っていた」(伊藤)。昨年ブロック賞を獲得した伊藤が自身の強みを生かしたプレーを披露し、2連続で相手のスパイクをシャットアウト(16-17)。伊藤のスーパープレーで一気にボルテージが上昇したチームは怒涛の追い上げでついにスコアを並べる(20-20)。20点の大判に乗ると、互いの意地がぶつかり合う壮絶なラリー戦に突入。伊藤のブロックでブレイクに成功し、マッチポイントを握った同志社。手に汗握る攻防戦を繰り広げた第4セットだったが、池田のスパイクがブロックに阻まれ惜しくもこのセットを献上した(24-26)。
勝負の第5セット、走り出したのは同志社だった。勢いに乗った伊藤のブロックでブレイクポイントを奪取(1-0)。中田のレフト攻撃で好機を演出し、関大を一気に引き離す(12-8)。「最後は自分に上がってくると分かっていた」(池田)。最後は池田がブロックに阻まれてもなお、エースとしての意地を見せ15-12で第5セットを制した。これによってセットカウント3-2で勝利を収め、悲願の2連勝を成し遂げた。
「(関大に)圧倒されそうになったが、同志社がチーム一丸となって戦えた」(池田)。熾烈な攻防戦を戦い抜いた池田の表情には笑顔があふれていた。この拮抗した試合展開で勝利をつかみ取った経験は、揺るぎない自信へと繋がるに違いない。次戦の相手は高度なコンビバレーが武器の龍大。この金星を糧とし、さらなる飛躍を誓う次戦で確固たる勝利を手繰り寄せる。(文責、撮影・三宅希和、堀早槻)
