第78回 秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2025
12月2〜3日、所沢市民体育館(埼玉県)で第78回 秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2025が行われた。秋季リーグ戦で2部降格が決まった同志社。落ち込む間もなく課題と向き合い、全日本インカレに向けて練習を重ねてきた。「4年間で1番いいパフォーマンスをしようという意気込みで臨んだ」(森川祐・商4)。初戦は富山大と対戦し、3-0で快勝。2日目の第2回戦では関東1部リーグ所属の筑波大と対峙(たいじ)し、果敢に食らいつくも0-3で敗北を喫した。

富山大のサーブで試合が始まると、早くも同志社がリードする。「自分たちのミスを減らしてプレーする」(﨑山・商2)。序盤は﨑山と池田といったスパイカー陣が躍動し、得点を量産(12-6)。中盤にかけては中田(心理2)と大西(経1)のOHとMBを組み合わせたバレーでさらに相手を引き離した(17-12)。その後も同志社の勢いは止まることなく、試合が進行。最後は池田のサーブが相手コートに突き刺さり、難なく第1セットを奪った。
第2セットも同志社が先行する。池田のサーブで連続ブレイクに成功すると、森川祐のサーブでも得点を量産(16-12)。﨑山のサービスエースでさらにリードを広げると、最後は森川祐がブロック1枚で相手の攻撃をシャットアウトし、25-16で第2セットを連取した。
続く第3セット。序盤から池田のブロックポイントで流れを掴み、主導権を握った(8-3)。ピンチサーバーの小木曽(スポ1)を投入すると、サービスエースだけでなく、バックアタックでも大活躍。8連続得点に成功し、相手を突き放した(19-6)。さらに、本(理工2)を起用し、一気に畳み掛ける(21-10)。その後も集中力を切らすことなく、終始富山大を圧倒(21-10)。「自分たちのペースでやり切れた」(﨑山)。25-11で第3セットを連取し、富山大相手に白星をあげた。

2回戦目に対峙(たいじ)したのは、関東1部リーグに所属する筑波大。「この1年やって来たことを全てぶつける勢いで立ち向かう」(小田)と投資を燃やし、格上相手に奮迅した。
第1セット走り出したのは筑波大。エース亀岡(筑波大)の強烈なサーブから連続でブレイクを許す(0-3)。「格上相手に固くなってしまっていた」(森川祐)と相手の攻撃にのまれ失点。池田のスパイクで何とか得点を刻むも、主導権は筑波大に握られたままだった(2-6)。その後も、池田が3枚ブロックを打ち抜く好プレーを見せるも、点差を詰めることは出来ない(8-21)。最後は相手のスパイクがコートに突き刺さり、10-25と大差をつけられ第1セットを終えた。
「切り替えが全員できていた」(森川祐)。続く第2セットは同志社が先制点を奪い、流れをつかんだ。﨑山のスパイクとブロックで2連続ポイントを獲得(2-0)。第1セットは筑波大の強烈なスパイクに苦しんだ同志社だったが、徐々に攻略しチームの雰囲気も上向いていった。しかし、同志社のイージーミスが重なり逆転を許す(8-9)。それでも、お互いが声を掛けあい苦しい場面でも決して下を向かなかった。それが功を奏してか、相手に大幅リードを許すことなく終盤にかけて終始一進一退の攻防戦が繰り広げられる(17-17)。トスミスからダイレクトを決められ、一時ピンチに立たされた同志社だったが落ち着いて立て直し、再びリズムをつかんだ。その後も筑波大の背中が遠くなることなく追いかける展開であったが、要所の一本を取り切れず流れを掌握することができない。そのままの流れで押し込まれ、23-25でこのセットも奪われた。
後がない第3セット。主導権を握りたい同志社だったが、相手の巧みなクイックに翻弄(ほんろう)され、リードを許す(2-5)。しかしここから、吉田(心理1)のスーパーレシーブや、﨑山のサービスエースで逆転に成功(8-7)。さらに森川祐が主将の意地を見せ、2本連続で相手スパイカーを封じこめる(10-8)。「ブロックの勝負強さを出せた」(森川祐)。互いに譲らぬ拮抗した展開が続く中、先に前に出たのは筑波大(17-19)。多彩な攻撃に苦戦し、リードを許した(19-23)。最後は力強いサーブに対応出来ず、20-25で第3セットを連取され、セットカウント0-3で敗北を喫した。

「同志社らしい雰囲気で1年間できて、そんなチームのキャプテンができてよかった」(森川祐)とその言葉には、この一年を仲間と共に駆け抜けた誇りと、自らが背負ってきた責任の重さがにじんでいた。この1年間、春季リーグ戦や秋季リーグ戦を中心に多くの経験を積んできた森川祐組。秋には2部降格という厳しい現実に直面しながらも、チームは崩れることなく立て直し、前へと進み続けた。4回生はこの大会を最後に引退する。酸いも甘いも味わったこの1年間。主将・森川をはじめとした4回生の思いは下級生へと受け継がれた。「来年の同志社に期待したい」(森川祐)。その思いを背負った後輩たちが1部昇格を成し遂げ、やがて関西制覇という夢を現実に変える。(市原理央、堀早槻、三宅希和)