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~インタビュー掲載~ 【ラグビー部】昨年に引き続き、インド派遣プログラムに参加

昨年に引き続き部員7名をインドへ派遣。一ヶ月間子どもたちに熱血指導を行いラグビーの普及、発展活動に励んだ。現役部員の中村、コーエン、廣崎、北堀が取材に応じてくれた。

ーーJICAプログラムに参加した理由
中村:大学4年間の体育会でラグビーを一生懸命することは誰にでもできることではないですけど、当たり前だと思っていて。その上で僕は何か違うことにもチャレンジしたいなって思った時に、インドの経験談を先輩から聞いて自分を変えれるんじゃないかなと思って参加しました。
コーエン:インドで1か月間仲間と過ごして、自分がどう成長できるかと考えると行くしかないってなりました。その分練習は休むことになるけど、それより重要な体験ができると思ったので参加しました。
北堀:1番最初はインドはどんな国かっていうのを知りたいなと思って。それからいろんな話を聞いていくにつれて、ラグビーを知ることを通していろんなことが学べると感じたので行くことにしました。
廣崎:僕はラグビー部に所属していると大学4年間で海外に行く機会ってなかなかないので、今回インドに行けるっていう機会があったから参加しました。

ーー参加するにあたっての目標
中村:1ヶ月間子どもたちにラグビーを教えることやインドのラグビーのレベルの向上目的として行きました。
コーエン:僕も普及活動っていうのがコンセプトで、インドの子供たちとラグビーを通してお互いに成長するっていうのが1つの目標として行きました。あともう一つ、体調不良にならないっていうのも目標だったんですけど、4人中3人体調不良に笑笑大洋(中村)は着いて1週間でね
中村:ダウンして体重も減ってしまいました。
コーエン:大洋はいつもこんな感じで明るいんですけど…
中村:やっぱり日本は特に環境がすごい恵まれてることを改めて感じました。インドは衛生面とか全てにおいて当たり前が全然通用しなくて…だから最初はそういう意味でちょっと心身共にやられて大変でした。
北堀:子どもたちと仲良くなって最大限ラグビーを教えることが目標でした。
廣崎:僕はラグビーを教えることに加えて、将来農業系の機械に関わる職業に就きたいので発展途上の農業を見ることも1つの目標にしてました。

ーー出発前に先輩(2度目の参加)からもらったアドバイス
コーエン:僕は2つあるんですけど、1つは秋山先輩からは1カ月は時間が一瞬で過ぎるから一瞬一瞬思い出に残るように写真撮るようにて言われました。だからどこに行く時も常に誰かがビデオを回していました。あともう一つは味の素とか出汁を持っていちいくように言われたんですけど、カレーに3振りくらい入れてもなんも変わらんくて。そしたらもうどばっていくねんぞって先輩が。もう半分ぐらいなくなるまで入れて、それでやっと味が変わったんですけど、健康面ではアドバイスの意味がね笑笑
北堀:僕は犬には気をつけろってアドバイスを貰いました。噛まれたら狂犬病になってしまうので。
モーガン:それについてなんですけど、なんか道端歩いてたらなんか犬に喋りかけて、「噛め噛め!」って。ちゃんとアドバイス聞いてるのかな?笑笑
北堀:インドの犬は日本の犬と違うので、噛めって通じるのか気になって言ってしまいました。笑笑

ーーインドに行くまでに抱いていたイメージ
中村:もう率直に汚いとか貧しいっていう印象がありましたね。日本に比べると質がいいとは言えない生活をしてる人がたくさんいるっていう印象を持っていきました。
廣崎:僕も貧しくて汚くてていうマイナスの印象ばっかり。あとは犯罪とかも多い国だと思ってました。

ーー実際に行ってみていかがでしたか?
中村:めちゃくちゃ変わりました。僕たちが普段日本にいて耳にすることって、貧しいとかマイナスな部分だと思うのですけど、実際に行ってみると街の活気がすごかったです。実際目で見て聞いて、びっくりしました。あともう1個は、インド人は僕たちから見たら汚い、貧しいってイメージで見てしまうのですけど、インドではそれが普通で毎日一生懸命生きてるって人が多くて、僕たちはそれがすごいびっくりしました。彼らはその環境でしっかり生きてて、そこがすごい感動しました。汚いとか貧しいってイメージがなくなりました。
コーエン:僕がインドに行ってイメージが1番変わったのは、インドの人たちの心の温かさ。どこへ行っても僕たちに優しく道を案内してくれたりいろんなことを教えてくれました。今までマイナスなイメージだったのですが、インドに行ってプラスのイメージを持って帰れたのが1番大きいです。
廣崎:環境の面ではイメージ通りだなと思ったんですけど、人に関しては僕たちいろんなところを回っていろんな人と接したんですけど、もういい人ばっかりで楽しく過ごせた。人に関してのイメージは印象とは違いました。

ーー現地の学生の印象
中村:僕は16歳から19歳ぐらいの男の子を担当してたんですけど、すごい元気でとにかく学ぶ姿勢。目キラキラさせながら前のめりになって話を聞いくれました。僕たちが言うことをなんでも吸収して自分のものにしたいって思っている子が多いなって思いました。だからそういう意味では僕たちが逆に元気をもらうようなエネルギッシュな子たちが多かったです。
北堀:ラグビーはもちろん好きなんですけど、それ以外の僕たちとのコミュニケーションもすごい好きで名前を何回も言ってきて、「覚えて!覚えて!」みたいな。全員とても楽しそうで和気あいあいとしていました。
廣崎:みんな負けん気が強くて、ラグビーが大好きなんだなっていうのは伝わりました。
コーエン:僕は大洋の1個下のグレードの男子を見ていました。今僕たちがやってるような朝と夜の2部練習、朝6時から練習が始まって学校行って夕方から練習という、毎日がハードなスケジュールだったんですけど、僕らがグラウンドつく頃には先にグラウンドにいて練習を始めてたりしたので、早くラグビーがしたいっていう思いが伝わってきました。日本の学生とは違うなという印象でした。

ーー1日のスケジュール
中村:朝6時半から8時半ぐらいまで練習した後、朝ごはんを食べて、昼ご飯食べる前にウエイト場を借りてウエイトして、3時から午後の練習。練習の間は自由時間だったのですけどすごい暑かったので、基本的に寮でクーラー入れて昼寝って感じでした。 夜7時ぐらいにちょっとレストランに行ったり、夜に街に行って歩いてみたりしていました。

ーー練習メニューはどうやって考えていましたか?
北堀:毎日夜9時からミーティングをしていました。男子担当と女子担当に分かれて、1日の良くなかったところを話し合って、次の日に活かせるよう考えていました。

ーー特に工夫していたことや意識していたこと
中村:みんな勝負や試合が好きでなんでも勝負したがる子たちが多いので、基礎練習でもあえてチームに分けてバトルマインドを持たせるように工夫しました。ゲーム以外の練習でも勝負を入れることですごい楽しそうにやってくれました。
廣崎:同じ練習が多くなると飽きてしまうし、インドの子どもたちは勝負ごとが好きなので試合をやりたがるけど、基礎も大事でその折り合いが難しかったです。午前中は基礎練、午後はゲーム形式でみんなが飽きないような練習メニューを考えました。

ーー教える立場になって大変だったこと
コーエン:どこの国の指導者も同じだと思うのですけど、子供が拗ねてしまったり練習に意欲がなくなってしまった時の対処法に手こずりました。3週間という短い期間でそれぞれにあったアプローチを見極めて対応することが難しかったです。

ーー嬉しかったエピソード
北堀:その練習の合間とかに行っていたカフェでゆっくりしていたら、近くの席の話しかけてくれた座ってる人が、インドのセブンズのキャプテンの方で!ちょっとおしゃべりしてただけなのに、コミュニケーションをとれたりインスタを交換したりとかラグビーを通して繋がりができたことがすごく嬉しかったです。

ーー帰国した今、子供たちに対する思い
中村:教えてた子と連絡先交換したので今でも喋ったりしています。昨日も連絡来て電話とかして。この先もずっとみんなの成長が気になります。元気にしてるかなとか、頑張ってほしいっていう思いですね。

ーーオフの日の過ごし方
中村:練習のない日曜日はたくさん出かけました。今僕の待ち受けにしているのですけど世界遺産のタージマハルという綺麗な宮殿に行ってきました。ほかにもショッピングモールに行ったりプリビーチという綺麗なビーチに行ったりしました。

ーー成長したと感じること
中村:相手に歩み寄る時はしっかり相手を知ることが大事で先入観とか周りの意見とかで入るのは良くないないと感じました。インドに対して持ってた考えとか先入観が全然違ったので、これから先社会に出てまず相手を知るということが大事かなって。そういう考える力みたいなのは学べたと思います。
コーエン:インドで得た経験が挑戦する力に変わりました。とてもインパクトの強い1カ月間だったのでこれから色々なことにもチャレンジできる心ができたと思います。
北堀:インドは日本の環境と大きく乖離(かいり)している部分があって、物事を見る視野が本当に広がったと思います。
廣崎:僕はこれまでどちらかというと保守的な人間でただ無難な道を行こうという生き方だったんですけど、今回インドに挑戦してみて色々な経験ができたので行って良かったし、これからもたくさん挑戦していきたいと思います。

ーー今回の経験を通して今後にいかしたいこと。
北堀:本当は円滑に進むのに進まなかったり、なんかもっとコミュニケーションとして良くなるはずなのにあんまり良くならなかったりっていうのがあるんだなっていうのをインドで感じました。どんな小さい子供や年齢を重ねてるお年寄りの方にあっても一律にまずリスペクトを持って接することが、相手からも心を開いてくれることにも繋がりますし、自分もリスペクトを持つことによって相手とのコミュニケーションを取れるんじゃないかなって思います。だからどんなものや人に対してもリスペクトを持つっていうのは大事にしていきたいなと思います。
中村:計画をしっかり立てて実行することが大事だと思ってて。何事にも結果を出すには行き当たりばったりでやるのはダメだと身をもって体験しました。今回1カ月という短い期間でまずは子どもたちの現状を把握して、次に欠点とか改善点を導き出して、それに対して目標設定をする。そして、その目標に向けてどんな練習をするか。そういう物事を進めていくプロセスを実際みんなで話し合ってやることができたので、問題解決をする上でプロセスを踏んでいくっていうことを今後生かしていこうと思います。

ーーもう一度参加したいですか??
中村:機会があればまた行けたらいいなっていういうポジティブな考えです。やり切ったなとも思いますし、でも子供たち気になるしまた会いたいなって思いがあるので、ちょっと揺れてる状態ではあります。
コーエン:僕はJICAではなくて僕たち自身で行きたいなって思います。次行った時はインド全体を知りたいって意味で。行動範囲を広げて自由に行き来できる環境ならもっとインドのことを知れると思います。

ーー来年の参加者へのアドバイス
中村:僕から伝えたいことは、体育会に所属している以上1カ月間チームを離れることは、結構デメリットが多いと思うんですよ。体重とか筋肉が落ちてしまうとかネガティブな意見が多いと思うんですけど、それでも僕たちが行って感じたことは人生っていう長い目で見た時にうまく言葉では言えないんですけど、本当に良い経験ができたと思っています。なのでぜひ興味があったら、迷わずチャレンジしてほしいなって思います。マイナスな面もあるかもしれないけど、長い目で見たら絶対プラスになると思うので、ぜひおすすめします。
コーエン:正直僕たちがインドに行っている間はみんなはずっと練習しているし、僕たちはインドで体調不良になったりして結構体重も落ちたので、やっぱり差ができてしまう。でもそこは帰国してから、日本でラグビーを練習していた人よりも多く練習したらカバーできると思います。だからぜひ行きたいって思ってる人は行ってみて欲しいです。

子どもたちに囲まれ笑顔を見せる中村
現地の方々と肩を組む(左から)コーエン、北堀、廣崎、中村
現地の方と笑顔を見せる(左から)北堀、廣崎

○プロフィール
◆中村大洋(なかむら・たいよう)
2002年12月12日生まれ。東京都・國學院久我山高校出身。174㌢、83㌔。経済学部3年。
◆廣崎颯汰(ひろさき・そうた)
2003年5月20日生まれ。福岡県立筑紫高校出身。176㌢、83㌔。政策学部3年。
◆コーエン・モーガン・一稀(こーえん・もーがん・いつき)
2003年6月29日生まれ。京都成章高校出身。172㌢、82㌔。神学部3年。
◆北堀誠博(きたほり・まさひろ)
2003年10月4日生まれ。名古屋高校出身。178㌢、94㌔。文化情報学部3年。

素敵な取材をありがとうございました。【取材・構成=俣野百香・湊結子】

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