2023年度関西選手権第三戦
12月2.3日、かんとりーはーばー(滋賀県)で2023年度関西選手権第三戦が行われた。第一戦から激闘を繰り広げてきた関西選手権の最終戦となる第三戦。インカレを終え、今季1年間で培った技術、経験を見せる集大成となった。目標に掲げてきた団体入賞には届かなかったが、齋藤(政策3)がメンズ優勝、年間ランキングでも齋藤が優勝。また、今大会での入賞はかなわなかった船越(商3)だが、年間ランキングでは3位入賞と有終の美を飾った。
計5レースが行われた今大会。1日目は風が不安定で普段のホームゲレンデとはまた違った環境でのレースとなった。優勝へ大きな期待がかかる齋藤は、一上では3レースともに高順位で開港できない。「インカレのあとということもあって完璧な状態ではなかった」(齋藤)。しかし、誰よりも風を見ながらレース展開をすることを心がけている彼は2周目で追い上げを見せる。1周目では一桁台の順位に届かなかったレースでもフィニッシュに近づくとともに力を発揮し、一桁順位で帰着。3レース目にはトップでフィニッシュするなど、安定した走りを見せた。暫定順位は2位となり、「いつもとはちょっと違うような風で振れが激しい海面だった」(齋藤)と1日目を振り返った。入賞を狙う船越は、中風となった全3レースで課題を残した。「レディースが遅い風が得意だから、レディースが得意な風だった今日のレースはあまり納得がいかなかった」(船越)。悪い順位ではなかったもの、入賞を視野に入れる船越にとっては明日のレースに命運が託された。インカレで経験した悔しさを払拭すべく今大会に臨んだ稲継(文情3)は、1レース目から苦戦。普段とは違う風の入り方に上手く対応できず思うような走りができなかった。2年生ながらにインカレ出場を果たした、谷山(経2)、森居(社2)、吉野(商2)は健闘を見せるも上位争いには組み込めず1日目が終了した。
1日目に比べ、風量が上がった2日目。気温も下がり、1日目より厳しいレースになることが予想された。ラストレースとなる3年生の選手もいる中、4レース目がスタート。昨日納得のいく走りができず苦しんだ稲継が、同志社トップで一上に姿を現す。二上でも順位を落とさず10位でゴール。「最近ずっと調子が悪くて追い込んでしまっていたから、今日は何も考えずにやってみようと思ったのが良かった」(稲継)。昨日の反省も生かし、順位向上に成功した。目標の入賞を果たすため順位を上げることが絶対条件の船越は、昨日に続いて納得のいく走りができない。予報とは違う風の入り方に苦しみ、5レース目は順位を上げるも入賞には届かなかった。「ずっと課題に挙げてきた最後のアプローチの改善から逃げてきたことが改めて分かった」(船越)。自身の持つ課題が露呈し、悔しさを吐露した。一方の齋藤は2レースともに高順位で帰着。1周目から徐々に順位を上げ、トップゴールはかなわなかったが3位、2位と十分な成績を残した。「昨日と同じようにあまり良い順位で走れなくて昨日の反省を生かしきれなかったのは個人的な反省」(齋藤)と課題点を挙げたが、終始安定した走りを見せ優勝をつかみとった。
ホームゲレンデで行われた今大会で幕締めとなった関西選手権。三戦を通し2度の優勝に輝いた齋藤は、年間ランキングでも優勝を果たし寄せられた多くの期待に応えた。惜しくも今戦では入賞を逃した船越も、第一戦、第二戦の好成績が功を奏し年間ランキング3位を獲得。全員がチームのレベルの高さを再認識し、後輩たちへの良い刺激となった。
12月下旬には2月末に開催される、インカレ団体戦の選抜メンバーが部内で行われる団体セレクションで5人決定する。「団体戦で走るには絶対にこの大会で優勝しなければいけなかったし、優勝できたことで4年生にも良い影響を与えられた。今まで僕が経験してきた中で今年は十分優勝が狙える位置にいると思うので、妥協せずやっていきたい」(齋藤)。「ここでしっかり団体戦のメンバーに入って力を上げたい」(稲継)。「今年は強いチームやからそのチームに関わることは今後にとって大きなことになると思うから、自分の実力アップのためにもしっかり5人の中に入りたい」(船越)。誰よりも経験を積み重ねてきた4年生が集大成を見せる場であるインカレ団体戦へ、全員が闘志を燃やしている。同志社ボードセイリング部の歴史に名を刻むべく、悲願の団体優勝へと走り抜けろ。(藤田桃江)