第56回全日本大学個人ボウリング選手権大会

　2月17〜19日にかけて、第56回全日本大学個人ボウリング選手権大会が神戸六甲ボウル(兵庫県)で開催された。熊(スポ2)が予選から首位を独走し続け、2位に圧倒的大差をつけ初優勝を果たした。

　男子部は斉藤(スポ4)、田中、岡田(スポ3)、松本(商3)、熊、菅原(商2)、久保(理工1)、吉村(理工1)、植西(スポ1)、伊地知(文1)計10名が出場。1日目は予選6ゲームが行われた。初戦から熊が236ピン、246ピン、192ピンと好スコアを叩き出すも、暫定6位につく。2回戦には全ゲームで230ピン以上を超える脅威のスコアを記録し、1位へと躍り出た。この時点で2位との差は約70ピン。1日目から順調な滑り出しを見せた。

　大会2日目は1日目に続き、予選６ゲームが行われた。２日目までの12ゲームで準決勝進出者が決まる。暫定1位で大会2日目を迎えた熊は、3回戦も絶好調。すべてのゲームで200ピンを超える圧巻の投球を見せつけ、2位との差を120ピンとさらに広げた。大会2連覇の経験のある主将の斉藤も底力を見せる。洗練された美しい投球で第1ゲームでは265ピンを記録し、3回戦終了時には11位についた。4回戦もおのおのが実力を発揮し、熊は1位、斉藤は6位へと順位を上げる。「自信を持って投げられるように」(斉藤)。6位からの巻き返しを狙い、最終日へ臨む。大会最終日の準決勝へ進む切符をつかんだのは熊、斉藤、菅原、岡田の計4名。

　迎えた最終日は準決勝6ゲーム、決勝3ゲームの計9ゲームを実施。「残り9ゲーム何があるかわからない」と話す熊だが、準決勝も勢いが止まらない。準決勝1回戦の第2ゲームは3フレーム目以外でストライクを連発し、279ピンの驚異のスコアを記録。準決勝６ゲームすべてのゲームで200ピン越えを果たした。準決勝終了時には２位との差を300ピン以上に広げ、堂々の1位で決勝戦へと挑む。一方、大学生活最後を締めくくる大会として挑んだ斉藤は準決勝でのレーンコンディションに苦戦。準決勝序盤からスコアが落ち込み、６ゲーム目に２５５ピンの好スコアをたたき出すも、16位へ順位を落とした。決勝進出24位に入ったのは熊、斉藤、菅原の計３名。運命の決勝戦が始まった。２位と圧倒的な差で優勝に王手をかけている熊は、第１ゲームから４フレーム目と10フレーム目以外のストライクをマークし、244ピンを獲得。2、3ゲーム目も200ピンを超えるスコアをマークし、トータルスコア4950ピンで全日本選手権覇者となった。主将・斉藤は入賞を視野に入れ、気持ちを新たに挑む。しかし、レーンコンディションの変化に対応しきれず順位を上げることができず、入賞には届かなかった。

　大会初日からトップを独走し続け初優勝を果たした熊。今大会の優勝に加えて、ハイシリーズも獲得した。さらに、2位との差を244ピンで大会を終え、この差は歴代で最も大きなピン差だという。「団体戦で残った課題を克服して今大会を優勝できたことは自信につながる」(熊)。今大会での自信を胸に、今後の大会でも己の投球を追求し続ける。

　1年生から個人選手権を制覇し、同志社の黄金時代を築き上げた第一人者である斉藤。「正直とても悔しい」(斉藤)とこぼすほど、全力で挑んだ今大会は入賞には一歩及ばず終幕。しかし、個人選手権2連覇に加え、今年度は18年ぶりとなる団体優勝を導くなど数々の偉業を果たし大学生活を終えた。「自分のボウリングが覆された4年間だった。楽しく投げるボウリングの大切さやどれだけ辛くても諦めないところなどたくさんのことを学んだ大学生活だった。」(斉藤)と振り返り、笑顔を見せた。来年度からは実業団に所属し、新たな形で同志社に立ちはだかる。チームメイトからライバルへ。新たな強さを手に、同志社と顔合わせする日が楽しみだ。(堀早槻)