8月20日、サニアパーク菅平Cグラウンド(長野県)で夏合宿の練習試合が行われた。筑波大と対戦した同志社は、前半のリードを守り切れず43ー49で接戦を落とした。
昨年の大学選手権4強の筑波大との一戦。8月初旬より北見(北海道)で合宿を行ってきたチームにとって現状の実力を見極める試合となった。
前半はキックオフから終始主導権を握り続けた。前半3分、敵陣深くに押し込むと寺北(スポ3)がキッカーにプレッシャーをかけ、キックチャージに成功する。こぼれ球を拾うとそのままインゴールへと駆け抜けた(5ー0)。
直後のキックオフでミスを犯し、自陣で筑波大の攻撃を受ける。しかし、前に出るディフェンスで圧力をかけると、主将・山本敦(社4)が渾身(こんしん)のジャッカル。レフェリーの腕が同志社側に上がり、ピンチを脱した。
同9分、藤田海(商3)のハイパントキックを上嶋(スポ1)が競り勝ち、こぼれたボールを再獲得すると、一気に敵陣に畳み掛ける。最後は敵陣5㍍付近のラインアウトからFW陣が力勝負を制し、追加点を挙げた(10ー0)。その3分後にも、藤田海と嘉納(スポ4)のハーフ団が縦横無尽にボールを動かし、チャンスメーク。左サイドのスクラムからサインプレーでゲインを奪うと、永住(スポ3)や寺北の力強いゲインでゴール前へ迫った。敵陣5㍍付近のラックからボールを右に展開し、市川(法4)が抜け出し、インゴールへ(15ー0)。序盤に3トライを先取し、ペースをつかんだ。
同28分には、敵陣5㍍付近のスクラムで繰り返しペナルティーを奪う。夏合宿のテーマに掲げてきたセットプレーで練習の成果を発揮し、相手PRを一時退場に追い込んだ。最後は、久保太(社3)がタップキックで果敢に仕掛け、逆サイドへボールを持ち出した岡野(商4)が飛び込みトライ。ゴールキックも決まり、リードを広げた(22ー0)。
その後アンラッキーな形で7点を失ったが、前半終了間際にもキックオフを再獲得し、フェーズを重ねる。上嶋(スポ1)が右サイドを駆け上がり、裏のスペースへキック。市川がセービングでボールを奪い返し、再び好機をつくり出した。素早い球出しに走り込んだ奥平(法3)がトライ。「自分たちの形ができた」(山本敦)と確かな手応えを得て、試合を折り返した。
後半も先にチャンスをものにしたのは同志社だった。同3分、敵陣のスクラムからテンポを上げて攻撃を重ねると、左に大きく展開する。嘉納が相手を引きつけ、絶妙なタイミングで市川につなぐとハンドオフで前進。最後はサポートに回った桃田(商2)がオフロードパスを受け取り、フィニッシュした(36ー7)。
「後半は相手の時間になった」(上嶋)。このまま点差を広げ続けたいところだったが、筑波大の反撃を受ける。同6分に自陣でリロードが追いつかず失点を許すと、14分にもモールを押し込まれ点差を縮められた(36ー21)。同20分にも、個々の強さで徐々にゲインを奪われ、死角から走り込んできた選手を止められなかった
(36ー28)。「相手のしたいようにさせてしまった」(寺北)と流れに乗った筑波大を止められない。同21分には36ー35と1点差に詰め寄られた。
それでも東福岡出身のルーキーコンビが意地を見せた。敵陣5㍍付近のラックから田中心(法1)が持ち出すと、ラックサイドに走り込んだ上嶋が抜け出しトライ。息のあったサインプレーで再び8点差に広げた(43ー35)。
しかし、同志社の得点はこれが最後だった。同35分にカウンターから形をつくられ、トライを許す(43ー42)。後半ロスタイムにも、自陣5㍍ラインアウトからのモールを止められず、43ー49で逆転負けを喫した。「前半いい流れで勝てていただけに、後半最後に逆転されて悔しい」(寺北)。まさかの敗戦に選手たちは肩を落とした。
敗れはしたが、前に出るディフェンスやターンオーバーからのアタックが機能し、夏合宿の成果が出た今試合。宮本監督は「ラグビーは80分で勝つゲームなので、今日は40分間しか(いい試合が)できなかった。次は80分できるように、この3日間頭と体をリセットして24日に臨みたい」と冷静に前を向いた。
夏合宿も残すところ1週間。8月24日には日大、8月27日には早大との力試しが残されている。「次戦は80分間自分たちのやりたいことをやる切るところを意識していきたい」(岡野)。得た収穫と課題を整理し、勝負の秋に向けて前進を続ける。(文責、撮影・勝部健人)