TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
日大三崎町 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 9 | 3 |
同志社 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | x | 3 | 7 | 2 |
文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会
8月24日、ひぜしんスタジアム(佐賀県)で文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会1回戦が行われた。同志社は日大三崎町と対戦し、3-2で勝利。序盤から続いたシーソーゲームで見事勝利をつかみ取り、2回戦進出を決めた。
先発を任されたのは中川(スポ4)。久々の公式戦先発に緊張した面持ちで挑んだが、「先頭バッターの初球ストライクが入った時、これはいけると思ってそこからは楽しく投げられた。」(中川)と投球を振り返る。3回に失点こそ許したものの、全日へ向けて先発の準備を続けてきた左腕がチームの流れをつくった。
一方の打線は相手投手を中々攻略できない時間が流れる。「高めの真っ直ぐにとてもつられていたから、低めに絞って打つという意識をチーム全体として持っていた」(中谷・経4)。中盤から徐々にヒットを重ね、5回に同点に追いついた。
試合は終盤に入ってからも緊迫した投手戦が繰り広げられる。7回表途中にはランナーを背負った場面で谷本忠(社2)が登板。初戦は負けている展開であれば投げる可能性があった谷本忠だったが、「準備はしていたが、気持ちが入りきっていなかった」(谷本忠)と振り返る。最初の打者に四球を許すと、続くバッターには勝ち越しの適時打を放たれる。「調子が悪くても絶対に抑える気持ちを持っていた」(谷本忠)と悔しさが残る内容となってしまったが、最小失点で切り抜けて裏の攻撃を迎えた。
7回裏1死、岡田(スポ4)が打席に入る。「1点差だったから、とにかく出塁してランナーを貯めることを意識していた」(岡田)。残る3イニングで必ず追いつき、逆転するために出塁することだけを考えていた。最初の2球が変化球であったため、真っ直ぐを待っていた3球目。狙い通りのストレートを力強いスイングで振り抜き、右方向への二塁打を放った。さらに相手の守備のほころびの間に一気に3塁まで進塁。そし続く中谷がこの日自身2本目のヒットで再び追いつき、ゲームを振り出しに戻した。
8回の守備では谷本忠が安定した投球で相手を三者凡退に抑える。守備で流れをつくった同志社は8回裏、先頭の大和田がライトへの痛烈な打球を放ち、チャンスメーク。後続も粘り強いプレーを続けて相手の失策の間に2塁ランナー柴田(スポ4)が一気にホームへ帰り、この試合初めての勝ち越し点を奪取した。
9回表は先頭の出塁を許し、その後の打者にもヒットを打たれて逆転のランナーを背負う緊迫した場面を迎える。2死1、2塁の一打逆転の展開で相手打者がレフト方向へ大きな打球を放った。前進守備をしていた池上(スポ4)は背中を向けながら全力でボールを追い、抜けると思われた打球を見事キャッチ。このファインプレーでゲームセット。整列に向かう池上は同志社ナインから手荒い歓迎を受けた。
苦しみながらつかみ取った全日での1勝。「日本一を獲るためには気持ちが最も必要だと思っていた」(中谷)と最後の池上のキャッチを含めた4年生の気迫のプレーが勝利へ導いたと振り返る。この1年間日本一のみを目指して進んできた中谷組。最後となる大舞台で最後に笑うチームとなるため、全員野球で一戦一戦着実に勝ち進め。(文責:伊藤愛梨、撮影:金井莉子)