第22回全日本学生室内アーチェリー個人選手権大会
2月28~29日に長崎県立総合体育館で第22回全日本学生室内アーチェリー個人選手権大会が行われた。リカーブ部門では上原(スポ卒)が7位の結果を収め、コンパウンド部門では、瀧川(新スポ4)が出場し、優勝を果たした。
リカーブ部門では上原、武内(スポ卒)、関根(新スポ3)、鈴木(新スポ2)、福岡(新スポ2)の5名がエントリー。1日目の予選ラウンドでは60射の合計得点で競われ、上位32名が2日目の決勝ラウンドに進む。上原は、60射全て9点以上の高得点で1位と1点差で2位通過。武内が14位、関根が27位で決勝ラウンドに進出した。
2日目に行われる決勝ラウンドはトーナメント形式で行われる。リカーブ部門では1セット3射の合計得点が高い方に2点が加算され、同点の場合は両者に1点が入り、最大5セット行われる。初戦の1/16イリミネーションラウンドでは、上原が1セット目に30金をたたき出し、6-0のストレート勝ち。「予選ラウンドの1本目が、10点に入ってくれてほっとした」(上原)。武内と関根も5セット目まで続いた熱戦を制し、6-4で通過した。「ここ最近で一番緊張して震えた」(武内)。武内の対戦相手は、上原が去年のインカレで1回戦負けを喫した成蹊大・高橋だった。それでも冷静に仲間の声援を聞き、各セット28点以上の安定した行射で見事勝利した。
続く1/8イリミネーションラウンド。武内は2ポイントを先取したが、その後大きく外し2、3セットを連取されると最後まで勢いに乗れず、2-6で敗北を喫した。武内にとって競技生活ラストの試合。「勝てなくはない試合だったが、今までのことが頭によぎった」と悔しさをあらわにした。
関根は、1セット目が29点で同点となると、続く2セット目で30点をたたき出し、好調な滑り出しを見せた。しかし、4-4で迎えた5セット目。相手の矢は全て10点を射抜き、関根は29点と惜しくも1点差でベスト8を逃した。「負けてしまったことは悔しいが、自分のやりたいことは全部できた」(関根)。一方、上原は6-2で実力を見せつけ、1/8イリミネーションラウンドを通過し、1/4イリミネーションラウンドへ駒を進めた。
先週の全日本選手権で予選敗退した上原。「大学生最後の試合で優勝したい」(上原)と意気込んでいた。会場が一段と緊張した空気に包まれ、1/4イリミネーションラウンドが始まる。相手に1、2セットを続けて取られ、4-0で後がない上原。3セット目では、両者30点をたたき出し、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。続く4セット目。上原は29点、相手が30点と1点差で無念の敗退となった。「トーナメントの雰囲気が変わったときに、こんなにミスが出るのか知ることができた」(上原)と、悔しさを表しながらも冷静に振り返った。
コンパウンド部門では計4名がエントリー。コンディションは悪かったと振り返るも、瀧川は1日目の予選ラウンド2位通過だった。2日目の決勝ラウンドでは、1セット3射を5セット行いその合計点で勝敗を決める。「決勝前の練習はいい状態で試合を迎えることが出来た」(瀧川)。会場中が見守る中行われたゴールドメダルマッチ。1セット目は両者譲らず同点。2セット目は瀧川が3点リードと相手を大きく引き離す。その後3、4セットは1点差で相手の点数を下回るも、112-111で争いは拮抗(きっこう)した。先週行われた全日本選手権では予選で2位、決勝で4位と悔しい結果に終わった瀧川。何としてもここで勝利したい。勝負が決まる5セット目。粘り強く相手に食らいつき、両者28点で瀧川の優勝が決まった。「20秒ずつの打ち合いという形式が初めてだったので緊張したが、楽しんで打てた」(瀧川)。悲願の優勝で笑顔を見せた。
この大会でチームを引っ張ってきた4回生の上原と武内は完全に引退する。4月から始まる春リーグ、続く6月の王座決定戦では、新しく関根が女子リーダーとなりチームをけん引する。「チームをうまく引っ張りながら、自分の結果も残したい」(関根)。選手たちは口をそろえて、春季リーグ全勝と王座優勝を目標と話す。個人戦のインドアを経て成長した彼女たちは、チーム一丸となり関西優勝、さらには王座優勝を目指して突き進む。(岡本和香)