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【陸上競技部】 全国の舞台で躍動

天皇賜盃第93回日本学生陸上競技対校選手権大会

9月19日から22日にかけてUvanceとどろきスタジアムby Fujitsu(神奈川県)で天皇賜盃第93回日本学生陸上競技対校選手権大会が行われた。同志社からは13種目に選手が出場し全国の舞台で躍動した。

 応援の様子

 大会2日目。400mH予選に出場したのは三柳遥暉。「新納さんを初めとする沢山の方々に向けた感謝の走りをしよう。そして、能登半島地震で被災した時に部や多くの方から沢山の支援をしていただいた恩を結果で恩返しをしたい」(三柳・スポ2)。
大学では陸上を辞めようとしていた三柳。同じ石川県出身で陸上競技の世界に再び誘ってくれた新納主将と一緒に出場できる最後の日本インカレとなった。同志社記録更新と決勝進出を目標として特別な思いを抱き臨んだ。
 練習では日本インカレだとしても特に普段と変わったことはせず、自然体でいるように意識して取り組んできた。周りの選手を意識せず、自分の走りだけに集中して、仮に先行されていても焦らずに後半で追い抜かすというプランで試合に挑んだ。
 予選の組は、400mHでは不利な2レーンでの出走ということや、これまで直接対決であまり勝つことが出来なかった相性の悪い選手との直接対決。「今の実力なら勝てると思いつつも、少し不安な気持ちもある状態だった」(三柳・スポ2)。
 結果は1着で準決勝進出を決めた。300m地点で先頭に立つとそのままゴール。「最後まで焦らずに走ることができた」(三柳・スポ2)。ガッツポーズで喜びを表現した。

ガッツポーズをする三柳


 準決勝では5レーンという良いレーンからの出走。「落ち着いて普段通りの走りをすれば決勝に進める」(三柳・スポ2)。レース前に新井先生と、“周りの選手と実力が拮抗しているため最後の直線で団子で競り合うことが予想される”と話し合っていた三柳。レース本番ではその通り競い合う展開となった。結果は49″69の4着で決勝進出は叶わなかったものの、石川県新記録、同志社記録タイという好成績を収めた。「焦りや決勝進出を意識しすぎて固くなってしまった。決勝が狙えたレースだっただけにとても悔しい」(三柳・スポ2)。

ハードルを跳ぶ三柳


 悔しさをにじませるが、自身の成長を感じられる結果でもあった今大会。小中学生の時は全国大会にも出場していたが高校1年生から伸び悩んでいたと振り返る三柳。「今年の6月辺りまで自分は早熟なのかと思うことが多くあった」(三柳・スポ2)。しかし、大学陸上の決勝がもう手の届くことろまできているのだ。「これまでやってきたことが間違ってなかったのだと嬉しく思う」(三柳・スポ2)。
 10月に行われる佐賀国体で決勝進出し関西学生新記録を出し、来年以降は関西インカレ優勝、全カレ表彰台を目標とする三柳。「同志社、石川県の陸上を盛り上げられるような走りをしたい」(三柳・スポ2)。同志社の絶対的エースに期待がかかる。

 大会3日目。女子200m予選が行われた。南()は1年生にして初めての全日本インカレを迎える。「初めての全カレでワクワクしつつも、しっかりと着順で準決勝に進みたい」(南)と意気込んでスタートラインに立つ。今大会から厚底スパイクに変えたが、薄底を使用していた時の走り方でレースを進めてしまう。その結果、加速してからコーナー抜けにかけてのストライド過多・スパイクは進むのに身体が乗らず思うようなレースを展開できず、着順で準決勝進出を決定づけられなかった。しかし全組終了後、着順で決められなかった中での上位3名に与えられる準決勝進出の権利を得る。「着順で決められなかったけど準決勝に進められたことは嬉しかった」(南)。翌日のレースに駒を進めた。
 大会最終日に迎えた女子200m準決勝。この日のレースは前日の予選の反省を踏まえてピッチとストライドの比率を変えることを意識する。この意識が最後の直線に入った時の失速を最小限に抑える走りにつながり、ラストスパートで前方を走っていた2人の選手を抜かすことに成功。記録は25″29(-3.2)で組6着でレースを終えた。「次は100、200mの2種目でA標準を切って全日本インカレに出場したい」(南)。気持ちは既に来年の全日本インカレにある。この経験を糧にこれからの走力向上を誓った。

 各々の思いを馳せて臨んだ今大会。全国の舞台で悔しさと手応えを得ることができた。スローガンの「覇瀾を起せ」の通り選手それぞれの向上心は止まることなく努力し続ける。

(撮影・文責、木田恋菜、伊藤愛梨)

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