11月19日に第84回関西学生対校駅伝競走大会が久美浜浜公園〜宮津市役所前(京都府)で行われた。
チーム一丸となって練習に取り組み、6位に入ることを目標に挑んだ今大会。目標は達成できなかったが、見事昨年の10位を上回る9位で入賞し来年のシード権を獲得した。
一区を走ったのは小田(法4)。駅伝の流れを作る一区を任され、プレッシャーと大きな責任を感じたが最高学年の意地を見せた。トップと10秒差以内で襷を渡すことを目標に、集団走の中では極力足を使わず走り、後半のペースアップについて行くレースプランで臨んだ今大会。しかし、ラスト2キロを粘ることができず1位集団に遅れをとってしまい20秒差で12位で襷をつないだ。「最低限の走りはできたと思います」。チームとしての目標を達成できず悔しい思いが残るが、昨年より順位を上げることができ、今年1年間のチームとしての基準が上がったと話した。
小田から襷をもらい2区を走ったのは清水(スポ3)。区間5位以内を個人の目標にし、最初から突っ込み後半で耐えるような積極的なレープランを立て臨んだ。「去年も任された区間だったのでやってやろうという気持ちでした」。足のコンディションが良くない中、序盤は積極的な走りができたが、中盤に足の痛みがきて苦しい展開となり1つ順位を落とす13位で襷をつないだ。主力2人が出場できなくなった中、去年よりも順位を上げることができたが、全力を出しきれなかった悔しさも残る大会となった。清水の今後の目標は駅伝で3番と全日本駅伝予選で全体の4番以内に入ること。また、個人では1500mで日本インカレで入賞することだ。
3区を走ったのは、駅伝主務の片岡(経3)。4区を走る遠池(文1)が楽な展開で走れるようにつなぐことを目標に挑んだ。持ち前のスピードを活かし積極的に前を目指すレース展開を考え、後半粘り強く走れるかを意識した。11位と順位を上げ遠池に少しでも走りやすい位置で襷を渡すことができ満足しているのに対し、中盤でもう少し詰めることができたと反省も残る結果となる。「今年は6位を目指していたということもあり、悔しい気持ちが強いです」。この悔しさを糧に来年はチーム全体で目標を達成させたいと話す。最後のシーズンに向けて、同志社を背負って戦い成長する彼に目が離せない。
4区を走ったのは、遠池。「4区を任された時は、前半と後半をつなぐ大事な区間で良くも悪くもチームの流れを左右してしまう印象だったので不安な気持ちがあった」。そんな中、抜かせる選手は抜かして順位を上げてチームに貢献。しかし、反省点も残る。登り坂でもペースを落とさず、レース後半でペースを上げて選手を抜かす展開を想定していたが、登り坂でペースが落ち、平地や下りで一気にペースを上げる乱れたラップとなった。今回出場した経験を活かし、今後の目標はロードで長距離を走り抜くためにも距離をふみ5000m、10000mのタイムを上げてさらにレベルアップして来年臨むことだ。
5区を走ったのは原口(社2)。エース区間を任され不安が募るも、主力不在の中で「自分がやるしかない」と意気込み、襷を握って飛び出した。神大の選手と同じタイミングで受け取ると、彼に着き前を追う。スタート直後に後続に追いつかれるも焦らず、シード権獲得の基準となる10位付近を死守。11位で7区へ襷をつないだ。「これまでエースに頼ってしまっていたことが分かった。」と悔しさを滲ませるも、渾身の粘りでエース区間を走り切った。
6区を担ったのは壬生(商2)だ。12km走った後に、峠を登る13.3kmの最長区間。急遽この区間を任された事と他校のエースから集まっていた事から不安や緊張が消えなかった。しかし、襷を受け取るとその心配も払拭され、「やってやろうという気持ちになりました。」と勢いよく最初から突っ込んだ。厳しいコースでありながら、順位を1つ押し上げ、さらに前を行くチームとの差を詰めた。「今までで1番しんどいレースだったが何とか耐えることができた。」最長区間を駆け抜け、チームに貢献した。
繰り上げスタートとなった7区を走ったのは武林(理3)。直前に8区から7区に変更。それでも「自分の持ち味が活かせるのは7区」と切り替え、出場できなかった主力2人分の結果を残そうと挑んだ。同区の実力が近い相手に離されず競り勝つ走りを意識。ライバルと競り合いながら13.3kmを駆け抜けた。昨年と同じ区間でタイムを1分縮めた武田。十分に実力を見せつけた。
そして襷はアンカー大島(法4)へ。「とにかく100%を出し切るだけ」と受け取ると勢いよく飛び出した。体力を温存することなく前を引っ張り下位を退けるゲームプランを実行。繰り上げチームの中でトップはとれずとも積極的に前を走り、11着でゴールした。チームの総合順位9位に貢献。「4年間積み重ねたことの100%は出せたと思います。ずっと楽しかったです。」4年間の集大成を遺憾なく発揮した。
エース2人が不在というアクシデントの中、去年より順位を上げたシード権獲得した。しかし、歓喜を上げた昨年とは異なり、全員がチーム全体の結果に悔しさを滲ませていた。「去年の10位で喜ぶチームから1年間で9位で悔しいと思えるチームになった」(大島)。チームの成長に確かな手応えをつかみつつ、エースに頼っていた課題が浮き彫りに。「全員が他大学のエースと勝負できるような実力を付けていく必要があると思います。」(原田)丹後駅伝は陸上部にとって実りある試合となった。次なる目標を見据え、さらなる実力の向上を図る。(家村有多・中田悠里)