2023年度関西学生野球連盟秋季リーグ戦

　9月10日、マイネットスタジアム皇子山（滋賀県）で2023年度関西学生野球連盟秋季リーグ戦第２節２回戦が行われた。同志社は京大と対戦。一時４点のリードを許したものの、中盤以降に打線が奮起し逆転サヨナラ勝利を挙げた。

　今日の先発を務めたのは髙木。初回先頭打者に死球を与えると、釜萢（経４）の失策などが重なり２死満塁のピンチを招く。「ど真ん中に真っ直ぐ、失投だった」（髙木）。６番打者山本（京大）が捉えた打球はレフトスタンドに着弾。先制の満塁本塁打を浴び、初回から京大に４点のリードを許した。

　序盤に少しでも点差を詰めたい打線は、初回にすぐさま反撃に成功した。２死から川久保が中安打で出塁。盗塁と失策で２死三塁とすると、４番松井が右適時打を放ち１点を返した。

　先発の髙木は２回以降も続投。「今日は自分が取られた４点だったので、９回投げ切るつもりで投げた」（髙木）。２回以降は復調し、公式戦で初めて５回を投げ切った。さらに２回の打席では、大学初安打となる二塁打を放ち塁上では喜びを爆発。何としても取り返すという姿勢をチームに示した。

　打線はこの後連打こそ生まれるものの、あと１本が出ない状況が続いた。しかし６回裏、１死から近藤が全力疾走で内野安打をもぎ取ると、7番内海（経２）の中適時二塁打で一塁走者近藤が激走。高い身体能力で捕手のタッチをかわし、本塁に生還。代打加藤（文情１）も執念のヘッドスライディングで相手野手の失策を誘うなど、この回一気にたたみかけ１点差に迫った。

　代わってマウンドに上がった橋本裕（商２）は自己最速に迫る直球を投げ込むなど、１回２奪三振の完全投球。３番手の阪上陸（文情３）、４番手の清川（経３）も昨日のリベンジを果たす投球を見せ、打線の援護を待った。

　なんとか追いつきたい同志社打線に味方するかのように試合中盤から降り始めた雨は止み、９回の同志社の攻撃へ。この日スタメンを外れていた代打塚本（商４）が四球で出塁すると、すかさず盗塁。２番堀内（法２）の右飛で三塁に進塁し、自慢の瞬足で同志社の好機を拡大した。犠牲フライでも同点となる1死三塁の場面で打席には川久保。「塚本さんと堀内がしっかり繋いでくれたので、自分も後ろの良いバッターに繋ごうと意識した」（川久保）。この日3安打目となる打球はレフト線へ転がり、同点に追いついた。

　さらに松井が左安打で１死一、三塁とすると、続く山元（スポ３）は申告敬遠。１死満塁の場面で打席に入ったのは、昨日３打点を挙げる大活躍を見せた近藤だった。「とにかくバットを振って、どうにかして１点を入れたかった」（近藤）。打球はセンターへ高々と上がり、三塁走者川久保はヘッドスライディングで本塁に生還した。

　選手全員が最後まで諦めることなく、それぞれが自分の役割をこなし呼び寄せたサヨナラ勝利。同志社ベンチからは選手全員が飛び出し、喜びを分かち合った。「選手たちが頑張った結果。少しは力が付いてきたのかな」（花野監督）。序盤の劣勢を跳ね返し勝利を挙げた選手たちに、首脳陣も喜びをあらわにした。

　リーグ優勝に向けて落とせない一戦を、サヨナラ勝ちで制した釜萢組。「勝ち点４に向けて６連勝と見ると長いと思うが、一戦一戦勝つことを考えたい」（主将釜萢）。２連勝で勝ち点を取りチームの雰囲気も上々と、逆襲の準備は整った。２週間後に控える対関学大戦でも勝ち点奪取を果たし、逆転優勝を手繰り寄せろ。（文責：髙橋惇太・撮影：西村早智、金海彩夏、城山歩美）

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試合後のコメント
◯釜萢（主将）
ーー今日の試合を振り返って

釜萢　やっぱり自分としては、最初のミスのせいで高木が頑張ってたのにリズム崩してしまったので、なんとかしたいなという思いで見てたので、最後逆転間に合って良かったです。

――最終回の攻撃に関して

釜萢　やっぱり4回生の力というか、（塚本）大夢が最初に出てくれてそこで一気にチームも、流れ、がっとベンチも一体となって行けたと思うので、そこがいちばん大きかったと思います。

――春は苦しんだ川久保が今日も大活躍だった

釜萢　川久保は春リーグは本人もすごい悩んだりとか苦労したと思いますし、その普段の頑張りも自分たち見てるんで、やっぱ打ってくれて嬉しいですし、川久保打たないと勝てないところもあると思うので、そんな重責のなか頑張ってくれて、ほんとに今日も打ってくれて良かったなと思います。

◯川久保（同点打を含む３安打１打点４出塁）
ーー今日の試合を振り返って

川久保　初回４点取られて劣勢だったんですけど、チームの雰囲気もちゃんと１点１点ということでゲームに入り込んでいたので、それが終盤の逆転に繋がったと思います。

ーー9回の同点打、打った瞬間の気持ちは

川久保　しっかり捉えたという感じでは無くて打ち損じだったんですけど、いい所に飛んで抜けてくれてよかったです。

◯近藤（サヨナラ犠牲フライ）
ーー今日は1打数1安打でバントも決めた、今日の成績を振り返って

近藤　きれいなクリーンヒットにしたいというのは自分の信念の中であるんですけど、今日も監督さんがおっしゃっていたように、自分個人はどうでもよくてチームの勝ちに繋がればいいなと、なんとかしてバットに当てて出塁したかった。あういう形で内野安打を打てたというのは、振りに行こうという気持ちがあったからだと思います。

ーーサヨナラ打の感触は

近藤　最後みんなか来てくれて、ガッツポーズとかハイタッチしてくれてなかなかサヨナラ打つ機会ないので、いい経験になったと思います。

ーー2週間後の関学大戦へ意気込み

近藤　2週間空くので、入れ替え戦とかある中で自分の長所を監督にアピールして泥臭く、がむしゃらにやっていきたいと思います。