ボードセイリング部
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【ボードセイリング部】団体戦入賞逃すも齋藤が個人で優勝果たす

2024年度全日本ボードセーリング選手権大学対抗戦

 2月22~24日、和歌山セーリングセンターで2024年度全日本学生ボードセーリング選手権大学対抗戦が行われた。チームを代表して選出されたのは、齋藤(政策4)、船越(商4)、稲継(文情4)、谷山(経3)、森居(社3)の計5名。10年連続の入賞を目指したが、結果は12位と悔しい結果に終わる。しかし、個人として斎藤が自身初のインカレ優勝を果たし、圧倒的な強さで和歌山の海を駆け抜けた。

カメラにポーズをとる齋藤

 今大会は天候に恵まれず、3日間で計5レースの開催となった。1年間の集大成としてチーム全体の力量が試される団体戦。1レース各大学3名ずつが出場し競い合う。全国から集ったセーラーたちは初日から気迫に満ちた面持ちで臨んだ。

 最大風速12m以上が観測され、高い波が選手を襲う中始まった第1レース。齋藤が1上を3位で通過し、序盤から躍動感のある走りを見せる。風を味方につけ、その後2位でフィニッシュし好調な滑り出しとなった。一方の船越は、レディースの出場者が少ない中互角に漕ぎ進める。半分ほどの選手がフィニッシュまでたどりつけない状況で、34位でゴールした。稲継は腰を負傷し、惜しくも途中棄権。第2レース、代わって森居が出場した。齋藤が順調に上マークを上位で通過する中、レディース組は思うように順位を上げられない。結果、船越は50位、森居は健闘及ばず規定時間内のゴールができずに終わる。しかし、齋藤はトップでフィニッシュし1日目終了時点で個人首位となる。「読みが当たって、思い通りの展開で走れたことが良かった」(齋藤)と振り返った。

ゴールに向かう船越

 迎えた2日目、前日の強風から打って変わって無風の1日となった。「今日を迎える時点で雄悟(齋藤)が個人1位でチームを引っ張っていてくれたので、付いていくことだけを考えた」(船越)。予定より4時間遅れで始まった第3レースだが、得意とする微風で意気揚々とスタートした。他大学の勢いも増す中で、齋藤が順位を大きく落とさず9位でフィニッシュ。船越は1日目から記録を伸ばし28位、稲継が復活出場し32位で終えた。続けて実施された第4レースでは、3人全員が思うように順位を上げることができず完敗。2日目終了時点で、齋藤は個人2位、団体では10位で最終日を迎えることになった。

笑顔でスタートに向かう稲継

 運命の最終戦当日。雪が降りしきる中、風の強さは時間を追うごとに増していった。第5レースは、昨日と同じく4年生メンバーが出場。会場でサポートに回った下級生やOBの方々に後押しされ試合に臨んだ。個人首位の選手と僅差である齋藤は、逆転を狙い疾風のごとくスタートを切る。2上時点で3位だったが、得意の下りでまくりあげることに成功し堂々の1位を獲得。稲継はスタートを切れず無念の結果に終わったが船越は安定的な走りを見せ32位でゴール。その後、天候はますます悪化し、レースを開催できる状況ではないと判断されたため、第5レースをもって大会終了となった。同志社は入賞を果たせず12位で終幕するも、齋藤が個人として優勝し表彰台に立った。

トップでフィニッシュする齋藤

3人の4年生にとって学生最後のレースとなったインカレ団体戦。大会終了後、数々の海を走り抜けてきた4年間を振り返り、その心境を語ってくれた。

――学生最後のレースを終えた今の感想

(齋藤) 個人的な話をすると、インカレで優勝したことがなくて、最後の大会で優勝できたことは嬉しく思います。ただ、同志社としては9年続いていた団体入賞が途切れてしまったので、そこは深く反省しつつですが、後輩たちに良い姿を見せられたのではないかと思います。

(船越) (天候の関係で)思っていたレースが無くなって、始めはあっけなかったのですが、色々振り返ってみると、本当にこの部活に入ってよかったなと思いました。

(稲継) 初日で腰を痛めて、最終レースも出られなくて悔いが残って最後までやり切ったと言えるか今は分からないけど、4年間やってきたことを振り返れば充実した3日間でした。そもそもこの大会に出られるかも分からなかった状況の中で、3日間、一緒に戦ってきたみんなと最後まで出来たのは良かったと思います。2人(齋藤・船越)がいたからここまでやってこれたし、同期が3人で同志社としては苦しい学年でもあったけど雄悟が実力で引っ張ってくれてあすか(船越)が精神的にも支えてくれて、2人と最後まで一緒にやりたいと思えたから団体戦までやってこれたのでとても感謝しています。これからも一生付き合っていく関係だと思うし、3人でこれまでやってきたことは一生忘れないなと思います。

――後輩に向けて

(齋藤) 大学生活は一番何事も挑戦できる時間だと思うけど、その中でこの部活を選んでくれたことに誇りをもって、最後までやり遂げて、後悔のないようになりたい姿をもって取り組んでほしいと思います。

(船越) 今部員が少なくて、尚且つ女子が多い中で団体戦だけを考えると厳しく耐えどころだと思うけど、だからこそ今後につなげるためにそれぞれが団体戦で活躍するんだという思いをもって最後までウィンド人生をやり抜いてほしいと思います。

(稲継) 生意気な子達が多いですけど(笑)。すごく真剣に取り組むところは取り組んで一つのところに向かって頑張れる子達が揃っているから本当に自分たちの目標を見失わず頑張ってほしいなと思うのと、同志社は強いチームで、今回自分が入賞を途切れさせてしまったというのがあるので、後輩にはそういう思いをしてほしくないし1年間これからこの大会に向けて自分の中でのベストを尽くしてもらえるといいかなと思います。

団体戦に出場した(左から)稲継・船越・斎藤

 団体戦としては悔しい結果になったもののここまで様々な苦難を乗り越え、チームの主軸として戦い抜いた4年生たちは笑顔に満ちていた。その頼もしい姿は後輩たちに引き継がれ、同志社ボードセイリング部は新たな船出を迎える。

(文責・髙橋舞衣、撮影・藤田桃江)

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