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【フィギュアスケート部】近畿選手権で中村5位、小林9位

2024近畿フィギュアスケート選手権大会

 9月28日、29日に大阪府立臨海スポーツセンターで2024近畿フィギュアスケート選手権大会が行われた。男子の部には小林(スポ3)、中村(商1)が出場。それぞれ9位、5位という結果で11月に行われる西日本選手権に出場する。

 28日に行われたSP。多くの観客が駆け付け、競技開始前から熱気に包まれた。4番滑走でリンクに立った小林。今季から新プログラムとして「Fall On Me」を使用。「昨シーズンは怪我をしていたので、心機一転の意味も込めた」(小林)とこれまでとは異なるしっとりとした楽曲を選んだ。冒頭のダブルアクセルを華麗に決めると、続くトリプルルッツも着氷。3本目のジャンプはコンビネーションが抜けダブルフリップのみとなった。その後はリンクを大きく使った伸びやかなスケーティングを披露し、49.74点をマークした。また、新プログラムに合わせ衣装も新調。遊び心を持たせ作ったズボンは遠目では黒色だが実は青色。裏地は水色にし、見えないところにもこだわった。

SPの小林

 中村は6番滑走で登場した。23日にトルコで開催されたジュニアグランプリから帰国したばかりの中村俊。「明るく踊ることにチャレンジしたい」(中村)という思いから「Everybody」で新プログラムを組んだ。キレと高さのあるジャンプ3本すべて着氷する安定ぶり。ポップさを表現するために歌詞を口ずさみ、軽やかなステップで観客の拍手を誘った。78.08点、3位に付けた。「やることはきっちりできた。FSは4回転をまず一本決めたい」(中村)と期待を高めた。


SPの中村

 29日に行われたFS。4番滑走で小林が登場した。使用曲はオペラ座の怪人だ。冒頭の3回転サルコウは鮮やかに決めGOE (出来栄え点)0.43を獲得。しかし、次の3回転ルッツで転倒してしまう。続く2回転ループ―1オイラー―2回転フリップも乱れ、なんとか後半でリカバリーしていきたいところ。スピード感のある曲に合わせて気持ちを込める。基礎点が1.1倍となる演技後半。回転不足や着氷が乱れるミスはあったものの、転倒することなく滑り切った。8月に行われたサマーカップからスコアを13点以上伸ばし、FSの得点は95.37。総合得点145.11の9位で大会を終えた。怪我からの復調が感じられた試合となり、今後はこの大会で得られた西日本選手権へと舵を切る。

FSの小林

 一方、前日のSPで3位に付け表彰台、優勝を狙う中村が10番滑走で登場。6分間練習では、織田信成選手、友野一希選手などの全国トップ選手と共にリンクに立った。緊張感漂う中での調整に「全日本みたいな雰囲気を味わえた」(中村)と試合後には刺激を受け、この経験を噛み締める姿が見られた。

  シニア1年目ながら初々しさを感じない攻めの演技構成でFSに挑んだ中村。冒頭に4回転トーループ、トリプルアクセルが続く高難度の演技に注目が集まる。「最初は良かった。後半のジャンプでは外してはいけないところを体力がなくなってしまって、ジャンプのミスがあった。それが残念」(中村)。その言葉通り、冒頭の4回転トーループは軽々と着氷し、GOE1.90を得る美しいジャンプを見せた。トリプルアクセルでも耐えながら成功させ、このまま波に乗ると思われたが、ここから体力面での課題が露呈。演技後半でジャンプミスでなかなか点数を伸ばせない。得点源となる2回目のトリプルアクセルで転倒、連続ジャンプ(3回転ルッツ―1オイラー―3回転サルコウ)でミス。観客からは「あっ!」と思わず嘆息が漏れた。だが、このままで終わらないのが中村。表現面で独自の世界観を披露する。「愛のメッセージのような曲なので、それを表現できるようにしなやかに優しく動けたら」(中村)。より一層、集中力を増した様子で会場の空気を一変させた。FS得点134.49を獲得し、総合得点212.57をマーク。5位で大会を終えた。

FSの中村

 SPで僅差だった他選手に追随を許し、惜しくも表彰台には届かなかったが、すぐさま前を向く。「(西日本インカレや西日本選手権では)フリーを修正してクリーンなスケートをしたい」(中村)。連戦が続きフィギュアスケート界では熾烈(しれつ)な上位争いが加速する。今大会FSで順位を落とした悔しさを晴らすべく、次戦までに修正点の改善に励む。(文責・撮影:古川亜依、矢部彩香)

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