8月9日から11日にかけて西日本選手権がスカイホール豊田(愛知県)にて行われた。春リーグから一直線にインカレベスト8という夢を追いかけてきた。夢をかなえるには今大会でリーグ2位以上となりインカレ出場権を獲得する必要がある中、見事に近畿大と東海学園大を制しインカレへの駒を進めた。初戦の一戦は近大。春リーグでは一点差で勝ち切った相手に再び白星をつけるべく臨んだ。
開始50秒、ネットを揺らしたのは同志社。堀のシュートで先制点を奪うも、前半2分同志社のイエローで2分間の退場を余儀なくされる。その隙に、相手の素早いパス回しに翻弄(ほんろう)され、立て続けに2点奪われた。その後点の取り合いが続いた。前半17分、3・2と連続得点を決めると、ついにリードを奪った。しかし、近大も流れを取り戻すべくタイムアウトをとり、直後から連続で得点し、リードを奪い返した。同志社も負けじと必死で食らいつき、前半を8対7の接戦で終えた。
迎えた後半。拮抗した展開がついに動き始めた。開始5分に近大にイエローが発生。南川(スポ4)がペナルティシュートを決め着実に得点を重ねた。榎本(スポ2)の好セーブを攻撃の起点とし、徐々に流れが同志社に。5連続得点を奪い、一気にリードを広げた。「数的有利をしっかり自分たちが攻めきれたことが大きく点差につながった」(佐藤)。拮抗した展開から一転、試合の主導権を握った。その後も、6連続得点を決めるなど、相手を大きく突き放した。春リーグで浮き彫りとなったディフェンス面も粘りを見せ、23対14で初戦を白星で飾った。2戦目は全日本インカレの切符の有無を決める重要な一戦。「絶対に勝ち切りたい」(佐藤)。1日目の勢いを落とすことなく勝ち切るべく二日目に臨む。
シュートを放つ篠原(スポ1)
速攻を決める南川(スポ4)
好セーブ光る榎本(スポ2)
2戦目の相手は東海学園大。昨年、惜しくも進出することのできなかったインカレ出場がかかった重要な一戦となった。主要メンバーの体調不良により全員がベンチに立つことはできなかったが、層の厚さを発揮し、20-18で敵を制した。
開始2分、川野のポストシュートが試合を動かした。春リーグ課題としていたDFを克服し、速攻に繋げるプレーを演出。同志社の勢いで相手を翻弄した。しかし前半7分で自陣のペナルティにより5名でのプレーを余儀なくされる。その後は西日本インカレから復帰を果たした榎本の好セーブが光り、相手の攻撃の起点を塞ぎ、逃げ切る形で前半が終了した。
後半戦。取られたら取り返す拮抗した展開が続く。「大差で勝つつもりが苦しい展開になってしまった」(佐藤)。後半9分、同点へと追い込まれ、さらに後半15分には相手のジャンプシュートが決まり逆転を許した。窮地に追い込まれるも、ルーキー篠原の活躍により同点に持ち込むと、勢いを掴み逆転。OFで迎えた試合終了1分前、同志社はタイムを要請した。「最後まで攻め切ろう」(佐藤)。と声を掛け合い、気持ちを落ち着かせた。丁寧なパス回しで田中(社2)がサイドシュートを決め、2得点を離し試合は終了。2年越しにインカレへの切符を掴んだ。
相手の隙をつく川野(スポ3)
逆転の一手を放つ篠原(スポ1)
勝利を分かち合う今谷(スポ2)と田村(スポ2)
3戦目は環太平洋大との一戦。関西でも頂点を競うほどの実力チームに応戦するべく、速攻に対する対策や1:1を強化し臨んだ。
開始早々、相手の切り返しの速さに圧倒されるも、同志社も食らいつき拮抗した展開となった。1点ビハインドで迎えた前半10分、堀(スポ3)のシュートをきっかけに3連続得点。前半14分には逆転に成功し、2点をリードする。その後も互角の戦いが続き、両者1歩も譲らず12-12で試合を折り返す。
流れを掴みたい後半戦。先制点を挙げたのはエース堀のジャンプシュートだ。相手の勢いのある速攻に対し、同志社は粘り強いOFで応戦。しかし、後半9分、相手の隙をつくシュートをきっかけに4点連続得点を奪われ、流れを渡した。また、ペナルティにより退場の場面が多く見られ、相手より1人いない状態でのプレーを余儀なくされる。最後まで攻め気で戦うも後一歩及ばず、19-23で敗北を喫した。
円陣を組む同志社
シュートを決める堀(スポ3)
サイドシュートを放つ佐藤(スポ4)
2勝1敗でリーグ2位に終わり、準決勝進出とはならなかった。しかし、全インカレベスト8という夢を達成するにあたり、必要不可欠な全国への切符を西日本インカレの舞台で手にした。体調不良で主力メンバーが不足している中での大会を振り返り、「みんなの想いを背負って何より楽しんでハンドボールができた」(佐藤)とチームスポーツならではの魅力を語った。秋リーグから全インカレに向け、チーム万全で臨み、全員で白星を掴め。(撮影・文責、小野里律子、長瀬来瞳)