第71回関西学生アイスホッケーリーグ戦 全日本選手権予選
11月9日、尼崎スポーツの森(兵庫県)で第71回関西学生アイスホッケーリーグ戦の全日本選手権予選が行われた。対する相手は、今秋季リーグで一度も勝ち星を挙げられていない因縁の関学大。最大4点まで広げられていたリードを一気に縮め、7-6で逆転勝ちした。
関学大の強みはプレッシャーや詰めのスピードの速さ。また、過去2回の関学戦でシュート数が少ないことが課題として挙げられていた。「判断を早くしよう」(阿部・法2)。チーム一丸となって試行回数を増やし、点数に直結させようと改善した。
第1ピリオドは両者一歩も譲らないシーソーゲームから始まった。均衡を破り先制点を得たのは関学大。開始7分、自陣側で行われた試合再開のフェイスオフ後、すぐにゴールを決められてしまう。負けじと水橋が福井(法3)と八巻(法2)のアシストを受け1点取り返した。しかし、またもフェイスオフからのゴールという流れで失点(1-2)。惜しい場面は訪れるも、得点することができず第2ピリオドに進んだ。
劣勢に屈しない攻めのシュートを見せるも敵陣ゴールを割ることができない。勢いに乗った相手に2点の追加点を許した(1-5)。大きくリードを取られたが、折り返しに入ったところで急展開を迎える。開始10分、加藤(法3)の2得点を機に河野(文情1)、阿部が連続得点を挙げた(5-5)。同点に追いつき流れは完全に同志社に傾く。残り4分で阿部が6点目を獲得し逆転に成功。「絶対に自分が決めてやるという気持ちだった」(阿部)。破竹の勢いに観客席は歓喜の渦に包まれた。
興奮を抑えられないまま迎えた最終ピリオド。試合は攻守ともにより激しさを増した。開始5分、阿部のパスを受けて水橋がシュートを打つ。ゴールしたと思われたがレフェリーが下した判定はノーゴール。しばらく得点板は動かなかった。開始15分、八巻のナイスアシストで水橋が自身2本目となるゴールを決め、点差を広げる。残り2分、関学大はGKを下げたエンプティーネット(6人攻撃)を仕掛け1点獲得。しかしリードを守りきり勝利を収めた。
「チームのみんなが1点1点返してくれてよかった」(村井・商1)。悔しさをバネに課題を乗り越えリベンジを果たした今大会。「素直に勝てて良かった。」と主将・水橋は嬉しさを滲ませた。波乱の大逆転を遂げた先に待ち受けるのは決勝戦だ。次戦は多くの選手が怪我から復帰し、総力戦で挑む。鍛錬を積み重ね全日本選手権の切符を掴み取れ。(文責・撮影 元永侑里)