ラグビー部
HEADLINE

【ラグビー部】関西王者に肉薄するも及ばず

2023ムロオ関西大学Aリーグ第6節

 11月19日、たけびしスタジアム京都で行われた2023ムロオ関西大学Aリーグ対京産大戦。春季トーナメント決勝戦から夏合宿を経て、Aリーグでは全敗の屈辱を味わってきた同志社に対し、京産大はAリーグ全勝中。力の差が結果に表れる中で、同志社は決死の覚悟でこの試合に挑んだ。しかし、自分たちの持ち味を見せ奮闘するも28-43とあと一歩及ばなかった。

ボールをキャリーする芦塚

 同志社のラグビーを体現すると決めた今試合。主将山本敦(社4)は「全力で楽しもう」と声をかける。
 同志社は開始早々からピンチを生んだ。ハイパントからあふれたボールを荒川駿(法1)が外へ回すも、このパスが乱れて相手ボールに。そのままトライまで走り切られ、悪い流れにのみ込まれた(0-5)。
 続けて前半10分、自陣5㍍のラインアウトから京産大伝統の力強いモールに、ディフェンスラインを下げられる。最後はフィジカルに長けた留学生のピックアンドゴーに押し負けた(0-10)。
 その後も、自分たちのミスや反則から多くのピンチを招く。同27分には、同志社のサインプレーからBKがゲインを図るも、インターセプトされる。流れを失い、ラインアウトのピールを起点に3トライ目を奪われた(0-17)。3分後にも、モールからゴールラインを割られてしまった追加点。4トライを先行され、厳しい状況に陥った(0-22)。
 しかし同35分、ついに同志社のトライが生まれる。スクラムのからペナルティーを得ると、タッチキックから敵陣5㍍のラインアウトへ。モールを組み、フェーズを重ねる。1㍍まで迫ると、FWのピックアンドゴーから主将山本敦がボールをねじ込んだ(7-22)。山本敦は「みんなが頑張ってくれた」と謙遜したが、1年間チームを引っ張ってきた主将のトライとなり、観客席の部員も喜びを爆発させる。勢いを取り戻し、後半に望みをつなげるトライとなった。

ラインアウトでボールを獲得した木村圭(政策3)

 15点差を追いかける後半戦。流れが傾いたと思われたが、京産大も王者の貫禄を見せつける。後半2分逆サイドを突かれると、ギャップをラインブレークされトライを奪われた(7-29)。
 しかし、同志社も前半の流れからFWが奮起する。またも敵陣右5㍍ラインアウトからモールを形成し、最後はタイミングを見た荒川駿が飛び込んだ(14-29)。「FWみんなで取ったトライ」(荒川駿)と振り返り、最後は前半のミスを取り返して見せた。
 だが、同志社の時間は長くは続かなかった。同22分にはゴールライン前まで攻めるも、ターンオーバーされランとキックでつなれてしまい、失点(14-36)。約3分後にもディフェンスラインが崩れ、続けてトライを献上した(14-43)。
 前節までの同志社であれば、このまま得点差を広げられる展開が予想された。しかし、今日の選手たちは一味違う。自分たちがこれまで渇望した考えるラグビーを体現した。
 同37分、一進一退の攻防から嘉納(スポ4)や岡野(商4)が何度もトライに迫る。またもラインアウトからモールを組むと、長島(スポ2)がラインを超えた(21-43)。
 後半ロスタイムにも、テンポよく進んだアタックは敵陣22㍍内へと侵入。FWの裏でボール受け取った嘉納がパスダミーから中央へ飛び込んだ(28-43)。「自分の前にチャンスがあることは分かっていた」(嘉納)と冷静に戦況を見た司令塔らしいトライとなった。
 しかし、この得点差を埋めるには時間がなさすぎた。レフェリーの笛がグラウンドへ鳴り響き、選手たちは肩を落とした。

タックルを受ける岡野

 今回の結果に宮本監督は「勝てた試合だった。でも準備してきたことは全部出た」と選手たちを称えた。山本主将は「防げたミスも多かった、今日良かったところをどれだけ伸ばせるか、そして長くできるか」と反省と展望を語った。また、副将芦塚(社4)は「113年目の伝統ある部なのに、先輩方にも泥を塗ってしまっているところがある。ラスト1節はこの4年間、育ててもらった同志社を体現して勝つことにこだわりたい」と今季初勝利をチーム全員でもぎ取りに行くことを誓った。残るリーグ戦もあと1試合、この1年間で味わった苦痛を全て吹き飛ばし、誇りを取り戻す一戦にしてほしい。【文責:西田雄哉、撮影:浅川明日香・丸山潤一郎・松島萌笑】

ページ上部へ