ラグビー部
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【ラグビー部】入れ替え戦制し、後輩へ未来託した

2023年度関西大学A-Bリーグ入替戦

12月7日、天理親里競技場(奈良県)で行われた2023年度関西大学A-Bリーグ入替戦。113年の歴史の中で初めてリーグ戦全敗という屈辱を味わった紺グレ軍団は、1部残留を懸けBリーグ全勝の大体大へと挑んだ。前半から接点で圧倒。後半にもディフェンスは崩れることなく62-21で勝利を収めた。

大声で応援する部員

全国の同志社ファンが、固唾(かたず)をのんで見守る今試合。選手たちは名門の看板を守るべく、奮起する。
先制点を奪ったのは同志社。開始直後から常に敵陣で続けたアタックは前半10分に身を結んだ。岩本(社2)のインターセプトからFWがシェイプで右へ左へアタック。そして、最後は岩本が目の前の相手を抜き去り、先制トライを奪った(7-0)。先制トライを振り返り、岩本は「フェーズを重ねていくうちに外にスペースができた」と戦況を冷静に分析した。
その後も常に同志社ペースで試合が進む。橋野コーチも今日のゲームプランとして「フィジカル面とエリア(の取り方)を意識させた」と語った。その言葉通り、同15分と20分には、キックでエリアを確保するとラインアウトモールから一気にゴールラインへと突き進んだ(21-0)。

トライを喜ぶ左・上野(商3)と右・岩本


 同志社の勢いはまだ止まらない。同24分には、FWがじりじりと大体大の選手を巻き込み、外のスペースをつくった。そして一瞬の隙を突いた嘉納(スポ4)がインゴールへ飛び込んだ(28-0)。同33分にも、山本敦(社4)のジャッカルでノットリリース・ザ・ボールのペナルティーを獲得し、着実にPGを選択。これを落ち着いて決め、31-0とした。前半終了間際にはラックに対して山本敦が圧力をかけ、ボールがこぼれた。それを福岡(スポ4)は見逃さず、サイドを突き、最後は大山(スポ4)がトライへ持ち込んだ(38-0)。
終始試合のペースをつかみ、大体大にアタックさせる隙を見せない前半戦となった。

円陣を組む選手たち

前半に続いて、点差を広げたい後半戦、同志社はチームの勢いを落とすことなく突き進んだ。
後半早々1分、大体大のキックをキャッチしたファイアラガ(社1)が左へと展開し、最後はまたも岩本が抜き去った(45-0)。
同4分にはラインアウトモールで失点を許すも、選手たちは焦りを見せなかった。キックオフのキャッチからフェーズを重ね、ファイアラガから岩本へとつないだ。そしてそのまま相手を振り切り、ノーホイッスルでトライを刻んだ(52-7)。着実に点差を広げていくが、留学生のフィジカルを武器に展開してくる大体大に対し、ペナルティーを犯してしまう。同12分には、アタックのテンポに追いつかず、ダブルタックルを外した。そして人数不利の局面をつくられ、追加点を許した(52-14)。

相手に突進する大山(スポ4)


 流れを渡すまいと、中央でのオフサイドに対して嘉納はPGを選択。これをしっかりと沈め、今試合のキックを全て成功させて見せた。
その後もFWで勝負を仕掛けてくる大体大に、1トライを献上するも試合の主導権は渡すことなかった。強固なディフェンスラインを敷き、これ以上のトライを許さない。同26分には、またもモールで堅実にトライを奪い点差をつけた(62-21)。
その後、両者に得点はなかったが、全員が勝利と残留への執念を見せつけ死闘を制した。

突破を図る芦塚(社4)

試合を終えて宮本監督は「メンタル的にタフなゲームだった。すごくプレッシャーがかかっている中で、特に前半を完璧にやってくれた」と選手たちをたたえた。
また、入れ替え戦に駆けつけてくれた大勢のファンに対して、「まずこのような結果になってしまって私自身申し訳ない。最後の最後まで詰めかけてくれた皆さんには本当に感謝したい」と話し、責任と感謝という2つの思いを語ってくれた。
1年間、苦しい時間を過ごしたキャプテン山本敦は「この1年間、悩むことも多かったし、結果もうまくいかなかった」と振り返る。一方で4年間を共に過ごしてきた同期に対して、「ありがとう、ただそれだけです」と一言。この言葉には、挫折や喜びを味わい続けたからこそ生まれた熱い絆が込められていた。


グラウンドに立てないチームメートの分まで、精一杯の力を出し切った山本敦組の長い挑戦はここで幕を閉じた。4年生の最後の勇姿を見届けた後輩たちはは来年もAリーグの舞台で同志社のDNAを心に刻み、復権を誓う。【文責:西田雄哉、撮影:勝部健人、浅川明日香、番匠麻衣、平沼栞、松島萌笑、丸山潤一郎】

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