6月5日、立命館大学BKCグリーンフィールドで2022年度関西大学春季トーナメント戦、対立命大戦が行われた。結果は14-57でまさかの立命大相手に黒星。予想外の結果に会場はざわめきを隠せなかった。
「今日は自分たちの完全な力不足だった」(FL小島・社4)。前回の京産大戦で宮本監督が語った「最初の15分でラグビーは決まる」。その言葉通り、初手で立命大に流れを掴まれると、その勢いを試合終了まで止めることはできなかった。
同志社のキックオフで始まった本試合。ボールを回してマイボールを維持していたものの、相手に次の展開を予想され前進できない時間が続く。
だが前半2分、最大のチャンスが到来する。相手の反則からゴール付近でライアウトを獲得した。展開ラグビーを繰り広げボールを回し、ゴール前まで攻め込んだ。誰もがトライを期待したが、パスミスにより最大のチャンスを逃す。
その後も、反則が続き立命大優勢の状態が続く。不穏な流れが漂う中、同13分、自陣10m付近から立命大がラインアウトモールを形成。相手選手に鋭角に走り込まれ先制点を許した。(0−7)
この流れを止めたい同志社。敵陣22mでラインアウトを成功させると、ボールをつないでいき久保(社2)がトライ。決死の思いで、同点に追いついた。
しかし、相手の勢いを食い止めることができず、トライを量産される。「相手の後手に回ってそのまま流れを持っていかれた」(小島)。ミスや反則が相次ぎ、自陣でのプレーを強いられる苦しい展開のまま7-26で前半終了。
「ファースト」と声を掛け合い、悪い流れを断ち切りたい紺グレ。立命大のキックオフで後半が開始した。相手がタッチを踏みいきなり立命大が自陣22m付近でラインアウトを選択。フェーズを重ねられ前進されるも粘り強くディフェンスする。だが一瞬の隙をつかれ失点(7ー31)。
「コミュニケーション、同志社」選手同士が叫び合う。しかし、反則を取られた際も徐々に声がけが少なくなっていき、気持ちの面でも立命大に負け怖気している場面が。それに比例して前半と同様何本ものトライを許してしまう。「始めはコミュニケーションできていたが、段々コミュニケーションできない時間が多くなってしまった」(梁本)。
苦しい時間が続いた後半20分、同志社のキックオフから試合が再スタートし、連続攻撃からパスが繋がり小島がトライ。後半初得点を挙げる(14-45)。このままでは終われない同志社。反撃を試みるも、相手の作戦にハマってしまい得点を上げられないまま試合終了。
14-57と立命大相手に敗北を喫した。手も足も出ない時間が終始続く試合となった。「一度原点に立ち返るというか、去年できていたことが今日全然できなかった」(梁本)。今回出た課題を修正し、前を向いて進んで欲しい。(文責・橋本さくら、撮影・松久莉万)
○インタビュー
FL梁本
・今日の総括
ー全体を通して自分達のやりたいラグビーをやろうと意識できてたことは良かったんですけど、ベースの部分、ラグビーの基本となる部分が疎かになっていて、そこが今日の試合の敗因だと思っています。
・今日の負けをどう受け止めてられていますか。
ーやはりもう1回原点に立ち返るというか、去年できてたことが今全然できていないというのも、おかしな話なので、去年自分達は何が強みだったのかというのを選手同士、指導陣ともう一回話し合って、自分達は今後、どういう強みを生かしてラグビーするのかを頑張りたいです。
・今年から新しい戦術を取り入れてやられていると思うのですが、どう見直していくか
ーいや、もちろん見直すということもあるのですが、今までの同志社のラグビーをやめるとからではなくて、今後そのラグビーをするために何が必要かということを確認しないといけない状況だということが今日の試合の気づきでした。
・試合中のコミュニケーションの部分では何か反省点などあったか
ー元気もなかったし、相手の方が元気もあって、自分達のミスとかも相手のやりたいことにハマってしまってという感じがありました。そこをコミュニケーション、初めはできのですが、だんだんコミュニケーションができてない部分がありましたね。
・これからのどういう方向で進まれていくのか。
ー負けても、来週明治との定期戦はありますし、そこで落ち込むじゃなくてもう一回みんなで自分達の現状を見直して頑張りたいと思います。
FL 小島
・総括
ー今日は自分たちの完全な力不足で、相手の後手に回ってそのまま流れを持っていかれてこの点差になったのかなと思っています。ここまで負ける相手ではなかったんですけど、大差になってしまいました。
・今日の敗因
ー1人1人のアタックの制度と、セットプレーのところだと思います。
・モールについて
ー完全に後手に回ってしまって、相手のやりたいようにやられてしまったことです。
・ゴール付近まで攻めていたのにトライに繋げられなかった原因は
ー2人目の寄りが遅くて、走り込むアタックをしている中で、2人目のレースで負けてしまって相手に絡まれてしまったことが多くて自分たちのチャンスを潰してしまったからだと思います。
・今年の戦術について
ー日本一を目指す上でアタックし続ける動き、ムーブし続ける動きのラグビーは続けていかないといけないと思っています。なので精度を高めて自分たちのものにしていければなと思います。
・今日の試合で手応えを感じた点について
ー今週ずっとやってきた準備に回るという意識が全体であったのでそこは収穫だったかなと思います。
・これからの調整
ーアタックの精度を一つ一つあげることと、2人目のレースのところ、ディフェンスの所の精度も足りていないのかなと思うのでそこを練習していきたいです。
CTB市川
・今日の総括
ー戦術とか戦略の前に、試合の雰囲気が僕たちの方が相手より悪くて、自分たちでしっかりテンションを上げてやるっていうところができてなかったと思います。
・今日のゲームプランは
ーフラッシュとビッカっていう、2つを今週のテーマとしてやってきたんですけど、それをやり切ることができずに、相手のペースに持っていかれてしまって…
前半相手のペースに持っていかれて、後半逆転するっていう流れに持っていきたかったんですけど、こっちのペースに持っていけず負けてしまいました。
・敗因を挙げるとすると
ーやり切ることをできていなかったのと、こっちが雰囲気、テンションを上げてやれなかったというところです。
・先週の負けからどのように切り替えたか
ー先週はミスが多くて、そこはずっと意識しようと言っていたのですが、今週も声をかけながらやっていたのですが、それでも全然足りていなくて、今日こういうゲームになってしまったところです。
・スタンドオフが変わった中で、連携面で何か変化はあったか
ーずっとスタンドオフをやっている人が入ったので、多少はやりやすくなったのですが、それでも自分たちがやることをやっていなかったので、普通に負けてしまいました。
・今後どのように調整していくか
ー今僕が3年生なんですけど、4年生が少なくて、3年生が多いチームなので、3年生が練習でもしっかり引っ張っていきたいです。