12月11日、東大阪市花園ラグビー場第1グラウンドで第59回全国大学ラグビーフットボール選手権3回戦が行われた。福岡工大と対戦した同志社は62-17で勝利し、選手権での1勝目を飾った。
「負けたら終わり」(大森・商4)。その言葉通り、気迫に満ちた試合だった。
ゲーム序盤から同志社が主導権を握り、敵陣でプレーし動きのあるアタックを形成していく。試合が動いたのは前半12分、インテンショナルノックオンで相手PRがシンビンにより10分間の退場。FWで優位に立った同志社がラインアウトからモールを組み、トライエリアまで持ち込んだ。(7-0)
先制から流れに乗りたい同志社は、ラックからボールを持ち出しビックゲインに成功。そして、優位のスクラムからペナルティを獲得し、ラインアウトへ。またもモールを形成し、追加点を得た。(14-0)今日のセットプレーについて、PR山本(社3)は「うまくいかない場面もあると思っていたが自分たちで修正していいゲームができた」と振り返った。
そこからお互いに細かいミスが続いたものの、またも同志社がチャンスを演出。前半30分、ラインアウトから大外へと展開し、西村(商4)から大森へとパスがつながりトライ。難しい角度のコンバージョンキックを成功させ、21-0とした。その後も、外への展開から大島(スポ1)がギャップを突き、またも大森がトライ。(28-0)
このまま前半が終わると思われたが、同志社の勢いはまだ止まらない。前半37分、キックオフのキャッチから大森がビックゲイン。相手のディフェンスラインが整っていない間にBKがキックパスでトライを奪った。(35-0)ハイボールの処理について、大森は「自分の強みなので、積極的に(ボールを)競りに行こうと強気な気持ちだった」と振り返った。
大きく相手と点差を広げた前半が終え、さらに引き離すべく、後半が始まった。
しかし、ここで宮本監督の「後半の入りがまだまだ」という言葉そのままに後半開始4分、敵陣でプレーしていたものの、大外から抜かれ一気に自陣へと戻される。そこから相手FWの連続ピックアンドゴーに我慢することが出来ず、最初の得点を許してしまった。(35-5)
このまま追加点を許すことはできない同志社は、後半10分大島のキックから多彩なアタックを展開。ラインアウトは失敗するも、芦塚(社3)のカバーでマイボールをキープ。そして中央までつなぎ、交代して常にボールに目を光らせていた奥平(法2)がインゴールへと飛び込んだ。(42-5)
後半18分にはFWのシェイプで敵陣へ侵入し、中央をオフロードパスで突破。右大外の空いたスペースで待ち構えていた市川(法3)が滑り込んだ。(49-5)
さらに後半22分、またも外までボールをつなぎ、西村がトライを奪った。(54-5)この試合に向けて西村は、「自分たちのラグビーをやっていくことにフォーカスを当てて練習してきた」と振り返った。
また、後半28分にはボールを展開されると、数的不利をつくられたところを突かれ、トライを許してしまうが、すぐさま修正しトライを奪い返した。(59-10)
これ以上トライを奪われたくい同志社だったが、後半38分にFWのミスから自陣深く入り込まれ、立て続けのミスで対応が遅れてトライを奪われてしまう。(59-17)
しかし、その後BKが相手を翻弄(ほんろう)し、ペナルティーを獲得。落ち着いてショットを決め、62-17というスコアで選手権3回戦を勝利で飾った。
次の秩父宮で待ち構えているのは、盤石な体制の帝京大。宮本監督は帝京大戦に対し、「(鍵は)1対1、アウェーの中でもしっかりとパフォーマンスが出せるようにこの2週間準備していきたい」と意気込みを語った。次のゲームを最後の試合にしないためにも、もう一度自分たちのラグビーを見つめなおし、全国の舞台で「もう一歩」大きく羽ばたいてほしい。(文責・西田雄哉、撮影・松井麻衣、勝部健人、小野理紗、浅川明日香)