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~主将セレクション2023~ 【ボート部】「美」しい漕ぎで日本一へ

 昨年は全日本大学選手権、男子エイトで43年ぶりに準優勝に輝いたボート部。来たるシーズンを前に新主将福條、安陵、松山の3人が取材に応じてくれた。

色紙を手に笑顔を見せる(左から)安陵、福條、松山

ーー他己紹介をお願いします。

安陵 前主将は結構パワフルで自分の主張とかもはっきりと言ってて勝ちたいっていう思いに対して自分の行動でどんどん切り開いていくタイプの主将だっんですけど、福條さんは自分のやりたいこととか主張があったとしても一旦考えて、うまく立ち回ったりとか、器用な感じで立ち回ってスマートにいろいろなことをこなすようなイメージで、優しくみんなにも接してくれて結構距離の近い主将です。

福條 彼女は次2回生になる漕手の松山ゆずはで、彼女は大学でボート競技を始めて、コロナでなかなか新人勧誘活動が進まない中で1人で未経験者として飛び込んできてくれて、受験でもそうだったと思うんですけどすごく努力家の女の子で、後輩ながら尊敬できるところがたくさんあるような子です。今は女子のエースと一緒に船に乗って引っ張っていってもらってるんですけど、それに食らいつく形で頑張っているなというのを見て自分は刺激をもらってます。

松山 ありがとうございます(照)。私は安陵くんを紹介します。彼は経験者で入ったときからめちゃめちゃ強い選手だったんですけど、私から見るとオンオフがはっきりしている選手だと思います。オンのときは先輩に対してもこうゆうところ直した方がいいとかのアドバイスを自分から展開していって、未経験の私にでも初歩的なところから練習終わりにこうゆうとこ直した方がいいよとか指導してくださいます。オフのときは、結構関西特有のがーんていう笑いが多い気がします。いろいろ話してくださって距離を詰めてくださいます。

ーーこの2人を選んだ理由

福條 安陵に関しては本当に自分と1番仲のいい後輩だなと思ってて、一緒のチームで練習したり、試合に出たりすることも多いんですけども、やっぱりボート競技に対する知識もしっかりあって来年以降もしっかりチームを引っ張っていってくれるんじゃないかなという期待を込めて選ばせていただきました。あとは、僕のこと1番分かってる後輩なので。松山に関してはさっきも言ったんですけど、女子って結構高校からの経験者が多い中で1人で飛び込んできてやってくれてるんですけど、普段の姿勢とか、勉強も熱心で真面目なんですけど、遊ぶときは遊ぶみたいな突然ボケてきたりするんで後輩ながら人として尊敬できるかなと思って選ばせていただきました。

取材に応じる3人

ーー同志社ボート部に入った理由

安陵 自分は高校、中学から初めて、今年の4月で9年目とかになるんですけど、自分はここっていう選択肢以外にも結構他の大学にも選択肢があったんですけど、自分はやっぱり関西に残りたいっていう気持ちが強くて、関西にいると大学の試合とかも見る機会があって、そのときに同志社ってどんなチームなんだろうって見たときに、圧倒的な強さを誇っているイメージが僕の中にずっとあり続けていたので、でもふたを空けてみると未経験者が1番中心となってやってるチームでこんなにも強い。じゃあなんでなんだろうって思ったときに育成力であったり、関東の方が強いんですけど戸田の方のチームにも負けない練習内容であったりとか、トレーニングの設備であったりとか、っていうところにも惹かれて、人数が減ってきている中でもずっと変わらない勝ちたいっていう思いが残り続けている、未経験でも絶対関東に負けないっていう強い芯が残り続けているチームっていうのを入る前から感じていたので入部しました。

福條 自分も選択肢はいくつかあったんですけど、1度ここに合同練習にきたときに特有の雰囲気があったというか、他大学を悪くいうわけではないんですけど、他大学って結構勝つためだけに淡々と部活、練習をして、ご飯食べてっていう淡々とした生活を送ってるんですけど、ここの部活って、当時高校生の自分が見たここのチームはすごく寮生活を行う中で家族みたいな存在で、練習のときはすごい真面目に熱く練習してるんですけど、みんなでご飯食べるときとかはすごい和気あいあいとしてて、いろいろみんなで遊びにいったり、ここで止まるのはよくないですけど、練習があるときもないときもボート部で過ごすっていう雰囲気の良さが伝わってきて、未経験者の中に僕たち経験者が入っていくのって結構壁を作られがちではあるんですけど、それでもこのチームでやりたいって思って、この雰囲気に惚れてこのチームに入りました。

松山 私は大学入学したときにボートかラクロスかオーケストラの3つで最後迷いました。もともと高校まで吹奏楽をしていたので音楽したいという気持ちが強くてオーケストラいいな、かっこいいなって思ったけど、ボートは寮生活でお金もかかるし、自分の時間も部活に取られて、迷ったときに最後いろんな人と話して、なんとなくボートって決めて、明確な理由はないんですけど、筋トレもしたことないですし、腕立てもできたことなかったんですけど、そう考えたら逆境すぎるんですけど、いつの間にかボートかなって思ってボートになりました。

ーー同志社ボート部の良さ

福條 自分がボート部入ってなかったことを考えると大学生活怖いなって感じてて、ここで仲のいい友達もできましたし、先輩後輩もできて、人のよさっていうのは1番誇れるところかなって思います。

安陵 人の良さとか感じてて、自分とかも最初未経験の人よりも先に寮生活始めて不安なときにいろんな先輩方が面倒見てくださる、声をかけてくださるとかそうゆう温かさを1番に感じたので人の良さはこの部活に入って何度も助けられたことがあるので魅力的だなと感じてます。

松山 練習が忙しいとか、オフが他の部活やサークルに比べて少ないとは思うんですけど、その方が自分の自由時間をいかに充実させるかってことを考えますし、長期オフに家族に会いに行ったりするのが本当に楽しみで改めて家族の大切さも分かりますし、逆に考えると、今の先輩方も家族に近いのでまた寮に帰ってきたときにほっこりします。

対談する左・安陵、中央・福條、右・松山

ーー昨年からの雰囲気の変化

福條 全然主将のタイプが違うので、言い方悪いけど緩くはなったかな。

安陵 僕から見た福條さんはだいぶ優しい方なので、いてるみんなが居心地がいいだとか、より楽しい生活を送れるようにっていうのを結構率先して考えてくださる主将なので、1人1人に適応しやすい環境づくりを気にされてるのかなって感じます。

福條 大事にしてるのはめちゃくちゃしんどくて、オフも少なくて、大学生活をある意味犠牲にして部活に取り組んでるんで、入ってくれたみんなには入ってよかったなって最後にみんなに思ってもらえるようにしたいなっていう思いでやってるんで、もちろん個人的には去年日本一取りきれなかったので、そこは1番目指してるところではあるんですけど、やっぱり主将として自分のことだけではいけないと思ってて、周りを勝たすのはもちろんなんですけど、みんながボート部に入ってよかったなって思えるチームづくりは1番目指してるところかなっていう風に思います。

ーー休日の過ごし方

安陵 昼くらいまでぼーっと寝てしまうとかあるんですけど、それ以外は結構京都の方に出かけたりとか、実家に帰ってゆっくりしてるとか。特に何かをしてない日の方が多いですけど、何かするってなったら出かけて映画見たりすることが多いですかね。

福條 さっき松山も言ったんですけど、オフの時間をすごく大切にするようになって、趣味が結構あるんで、バイクに乗ったり、料理したり、買い物に行ったり、今は就活が忙しいので何かしら動いてるかなという感じです。

松山 私はバイトに行きます。ボート部の人と過ごすときは深夜から集まってお鍋パーティするのも楽しいですし、ボート部以外の人とも遊びたいので遊んだりします。それ以外は本当に体を休めます。

ーー尊敬している選手

福條 まず同期で、自分ってこう優しいって言われるんですけど、同期が10人なんですけど主将しててすごくやりやすい学年だなっていうふうに思ってて。後輩もみんな感じてると思うんですけど、すっごい暖かい学年なんですよ自分たちの学年って。どんな問題があっても親身に相談に乗ってくれて、ほっとかないというか。いろいろ腹立つこともいっぱいあるんですけど、友達思いな学年なんで自分を除いた9人というのは大好きというか、すごい尊敬できる存在というふうに思っています。ここに連れてきた2人は尊敬できるなっていう2人で、やっぱりみんなしんどい練習なんでさぼりたがるんですけど、安陵に関してはちょっと無理して練習しようとするときがあって、ほかのやつらだったら休むだろうっていうところを彼は休んだら体力落ちるんで休みたくないですっていうのをよく言う。彼は気づいてないかもですけど、そのストイックさがすごいなと思います。松山に関しては、なんでも一生懸命してて勉強も、部活も、多少未経験者で不利なところもあると思うんですけど、その中でも一生懸命、、真面目に、ひたむきにやっているところがすごく尊敬できるところかなと思います。

松山 私は2人いて、1人目は引退された4年生の女子のトレーナーの山川慶衣果さんっていう方なんですけど、仲良く部活を展開していく中でも厳しさっていうのは大事だと思ってて、慶衣果さんは嫌われてもいいから厳しくするというか、そういうところがあったと思います。漕手を敵に回しても部活がだらける前提を作らない、そういうところできっちりされていた方だなと思います。もう1人は今留学行ってていない3年生の先輩なんですけど、落合陽乃花かさんっていう方がいらっしゃって、私が初めてボートに乗ったときにダブルで2人で乗ったときの1番最初の先輩ですっごいパワフルで、こんな1人で進むんか!ってくらいパワフルな方なんですけど、話してたらすごい穏やかで優しくて、でも選手的には日本で何番、みたいな方なんで尊敬しています。

安陵 当然今いる先輩方全員尊敬できるのはもちろんなんですけど、2つ上の先輩で一緒にエイトに乗っていた落合航大さんです。技術的にエイトの中でもトップクラスにうまくて、技術的なことが尊敬できるのはもちろんなんですけど、クルーの雰囲気作りであったりとか、クルーの調子がいいときとか悪いときに限らずずっと声かけをしてくださったりとか。雰囲気を保つ、クルーを作り上げるっていうところの能力がすごい高くて、プライベートでももちろん人間関係とかですごい気さくに話しかけてくださったり、仲良くしてくださった。そういうところからずっとボートにつなげて、1個の船をいい状態のまま作り上げるだていうのがすごい上手な方で。僕はどっちかっていうと1個のことに集中すると黙り込んじゃうタイプか、考えすぎちゃってコミュニケーションを練習中に取ることがあまり得意なタイプではなかったので、すごい去年の試合、新人戦とかで戦ったときも、そういうことができなかったので。後輩の面倒見切れなかったりとかっていうところでそのクルーを作り上げるっていうことを苦戦したので、そういう能力に長けている落合さんはすごいなと卒業されてからもずっとそう感じる存在ですね。

ーー今シーズンに懸ける思い

福條 本当にそれは日本一に尽きるかなってところです。ご存知だと思うんですけど、昨年度は0.7秒差で逆転負けを許して、すごい複雑な気持ちではあったんですけど。2位っていうのは33年ぶりで、自分も全国のメダルを初めて獲ったんですけど、すごい嬉しさはあったけど、やっぱりなんであそこで抜かれたんだろうっていう後悔がもう、、時間が経つにつれてすごい湧いてくるんで、もう本当に日本一に尽きるかなって。ボートもたくさん種目がある中で、エイトで日本一獲りたいっていう思いはやっぱりあるんですけど、4年生がいっぱい乗っていたので現状なかなか厳しいところにはあるのかなっていうふうに思っているんですけど、、そうですね、欲を言えば今年エイトで日本一にはなりたいですけど、しっかり強さを継承していって、まずは何の種目でも日本一を取って、近いうちにエイトで日本一を取れるっていう強さの継承も大切にしていかないといけないかなというふうに思っています。

安陵 自分も福條さんと同じ日本一っていうところに尽きるんですけど。やっぱり去年0.7秒で逃した優勝は天と地の差があるくらい大きいものだったので、そこをやっぱり取り返すというか、取りに行くという部分は追い求めていかないといけない最大の目標であるというふうに感じています。あとは福條さんの代が卒業していまうとあのエイトに乗っているのが僕だけになってしまうので、2つ上の代が未経験でも勝てるんだっていう、本当の同志社の強さっていうものを全国に見せるだけじゃなくて僕たちにも残してくれて、強い同志社の礎を築いてくださったので。それを1番僕が間近で見てるはずなので、それをやっぱり部の中で生かし続けないといけないし、もう1回強い同志社を再構築していって、全国に負けることない大きな強いチームとしてもう1回育て上げる必要があるのかなと。チームの底上げが最大の目標かなと思います。

松山 私が目標に掲げてるのは、日本一になる同志社として恥じないメンバーになるっていうことなんですけど。正直このおふた方は本当に強いんですけど、私は女子で、しかも未経験で入ってて1年生でっていうので全然強くないんですけどそこでちょっと引いた目標を立ててしまうとダメなので日本一になる皆さんと同じ練習をして食らいついていくぞっていう気持ちで、1年間頑張りたいと思います。

ーー主将が今年大切にしたい言葉

福條 今年のチームのスローガンとして自分が掲げた文字になるんですけど、やっぱり日本一になるってときに、日本一ってただしんどい練習をして日本一になれるとは思っていなくて、合宿所の生活環境も美しく整えていかないといけないし、やっぱりほかの強い大学を見たときに漕ぎが美しいというか。体も美しいし、漕ぎも美しい。もちろん強い大学は合宿所も美しいんで、そういう見かけのところから大事にして、全てで一番、美しさで一番を取れるような思いを込めて「美」っていう字を掲げてチームを運営しています。(聞き手:丸山潤一郎、撮影:勝部健人)

美しい字で色紙に「美」と書き込む

◆福條武琉(ふくじょう・たける)
2001年6月8日生まれ。兵庫県立洲本高校出身。漕手。180㌢・75㌔。商学部新4年。

◆安陵将太郎(やすおか・しょうたろう)
2002年10月19日生まれ。大阪府・清風高校出身。漕手。180㌢・75㌔。商学部新3年。

◆松山ゆずは(まつやま・ゆずは)
2002年11月27日生まれ。滋賀県・立命館守山高校出身。漕手。158㌢。法学部新2年。

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